米コロラド州の自動運転EVバス、全米最大のネットワークに!?大学とダウンタウンを接続

仏EasyMileの「EZ10」を使用



出典:コロラド鉱山大学ニュースリリース

米コロラド州の自動運転プロジェクト「AvCo」(Autonomous Vehicles Colorado)は2021年8月30日までに、州内の郊外都市ゴールデンにおいて、低速の自動運転EV(電気自動車)シャトルの運行をスタートした。

現地報道によると、走行ルートを段階的に拡大していき、自動運転バスの交通ネットワークとしては全米一の規模となる見込みだという。


自動運転EVシャトルは最大9台運行する予定で、まずコロラド鉱山大学の中央キャンパスや陸上競技場、そしてゴールデンのダウンタウンなどを結び、大学に通う学生や大学の教職員のほか、一般の乗客などの利用を想定しているという。

コロラド州ではその後、第2フェーズとして、Greenwood VillageやColorado Springsなどの都市でも自動運転EVシャトルの運行を順次開始していく予定のようだ。

■仏EasyMileの「EZ10」を使用

今回使用されている車両は、自動運転バスの開発ベンチャーである仏EasyMile(イージーマイル)社が開発した「EZ10」で、ハンドルがついていない車両だ。

LiDARを搭載しており、障害物の回避はお手の物だ。EasyMileの上席副社長であるSharad Agarwal氏は「10セント硬貨が車両の前に飛び込んだとしても正確に停車できる」と自信を見せる。


ゴールデンでの走行では、時速25マイル(時速約40キロ)制限の道路を、最高時速12マイル(時速約20キロ)で走らせるという。安全に配慮した形だ。車両内では専門のトレーニングを受けた鉱山大学の学生が1人乗務し、万が一の場合に備える。

■「新しい歴史のチャプターを開く」

コロラド州の担当者は「我々が世界の交通運輸業界の新しい歴史のチャプターを開く」と語る。まずは事故なく安全な運行が続けられるか、注目だ。

▼EasyMile公式サイト
https://easymile.com/
▼EasyMileプレスリリース一覧
https://easymile.com/news

【参考】関連記事としては「世界シェア60%!?自動運転シャトル開発の仏EasyMile、資金増強」も参照。


記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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