キヤノン株式会社(本社:東京都大田区/代表取締役社長:御手洗冨士夫)は2020年8月9日までに、自己位置推定と環境地図作成をカメラを使って同時にこなす「Visual SLAM技術」を含んだ映像解析ソフトウェアを提供開始したと発表した。
ソフトウェア名は「Vision-based Navigation Software」だ。自動搬送台車(AGV)や自律走行搬送ロボット(AMR)などへの搭載を想定し、協業メーカーにこのソフトウェアを提供することで、自動運転ロボット市場に参入するという。
■レイアウト変化の多い現場でも
工場や倉庫での省人化や効率化のため、自動運転ロボットの需要は高まっている。一方で、磁気テープを使ったガイド式のAGVなどでは、モノの増減や人の移動などにおいて変化の多い現場では柔軟に対応することが難しかった。
こうした背景がある中、キヤノンはVisual SLAM技術を含んだ映像解析ソフトウェアの提供を開始した。このソフトウェアがAGVなどで活用されることで、どのようなことが可能になるのか。
キヤノンは報道発表で「水平面・垂直面の幅広い画角で撮影されたカメラの映像データを用いるため、レイアウト変化の多い現場でも高精度に位置姿勢を計測することができます」と説明している。
■日本電産シンポとの協業もスタート
キヤノンは同日、日本電産グループの日本電産シンポ株式会社(本社:京都府長岡京市/代表取締役社長:西本達也)との協業を開始したことも発表している。
今後、日本電産シンポが発売開始するガイドレス方式の次世代AGV「S-CART-V」シリーズに、キヤノンが今回開発した映像解析システムを提供するという。
キヤノンは今回発表した映像解析ソフトウェアについて、清掃や警備などさまざまな用途向けのサービスロボットやドローンへの搭載も目指していくという。
【参考】関連記事としては「キヤノン、自動運転で「車の目」にも照準!100万画素SPADイメージセンサーを発表」も参照。