「CASE」(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)や「MaaS」は、私達のこれからの暮らしを大きく変える。今回はそんなCASEやMaaSに関する「数字」に着目していく。知っておきたい「予測値」や「目標年」などの数字を6つ紹介していこう。
記事の目次
■40〜60%:2040年代におけるレベル5車両の販売割合
カナダのシンクタンク「Victoria Transport Policy Institute」が2019年に発表したデータによれば、自動運転レベル5(完全運転自動化)の車両は2020年代から市場での入手が可能になる。新車販売に占める自動運転車両の割合は、2020年代は1〜2%程度、2030年代は10〜20%程度、2040年代には40〜60%と見込んでいるようだ。
■8475万台:2040年におけるADAS搭載車両の販売台数
市場調査などを手掛ける富士キメラ総研は、ADAS(先進運転支援システム)を搭載した車両の世界の新車販売台数が2040年には8475万台に上ると、2019年9月に予測している。2018年と比較すると約2.3倍となるという。
■2020年代前半:高速道路での自動運転バス走行の実現目標
「官民ITS構想・ロードマップ2019」におけるシナリオでは、2020年代前半に高速道路で自動運転レベル2以上の自動運転バスや隊列走行トラックの走行を実現させることが明記されている。物流サービスの分野では、高速道路における自動運転レベル4のトラックの走行を2025年をめどに実現する目標を立てている。
■88%:2035年の新車販売におけるコネクテッドカーの割合
調査会社の富士経済が2019年3月に発表した「コネクテッドカー関連市場の現状とテレマティクス戦略 2019」によれば、コネクテッドカーが新車販売台数に占める割合は2025年は57%、2035年は88%となることが予測されている。
■30倍:2020年から2030年にかけてのMaaS市場の増加率
矢野経済研究所が2019年2月に発表したレポートによれば、MaaSサービス事業者の売上高をベースとしたMaaSの市場規模は、2020年には1940億円、2022年には5355億円、2030年には6兆3634億円となる見込みだ。単純計算すれば、10年間で約30倍となり、爆発的に市場規模が拡大することが予測されている。
■131億円:2030年におけるカープール型ライドシェアの市場規模
富士経済が2019年2月に発表した予測データによれば、ドライバーと利用者がガソリン代や高速代などの交通費を割り勘する「カープール型」(相乗り型)のライドシェアの国内市場規模は、2018年は1億円程度だが、2030年には131億円まで拡大する見通しだ。
■【まとめ】モビリティ業界に関わる以上、数字をパッと言えるように
こうした数字をパッと言える人は業界通だ。どれくらいの市場規模になるのか、どのタイミングで何が起きるのか…。こうしたことはモビリティ業界に関わる以上、例え予測値であっても頭に入れておきたいところだ。
【参考】関連記事としては「自動運転社会の到来で激変する9つの業界」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)