自動車のサイバーセキュリティ事業を手掛けるイスラエル企業のアルガスサイバーセキュリティと、自動車向け半導体サプライヤーであるオランダ企業のNXPセミコンダクターズは2020年3月18日までに、NXP S32G車載プロセッサ上で「イーサネット通信」を保護する新たなソリューションを発表した。
通信規格の一つである「イーサネット」は、ほかの通信規格より送受信が早いことが特徴だ。イーサネットは大量のデータを処理する自動運転車やコネクテッドカーなどに欠かせない要素で、車両やドライバーの安全のためにセキュリティ強化が求められている。
今回発表されたソリューションにより、車両はサイバーセキュリティに関するインシデントを検知し、対応できる機能を実装できるという。
■情報や金銭だけでなく人命や車自体の盗難も!自動車のハッキングリスク
ネットワークと常時接続されている自動運転車やコネクテッドカーがハッキングされると、その車両に乗っている人の命に関わる事態につながりかねない。また自動運転車のシステムがハッカーに乗っ取られたら、そのまま自動車を盗まれる可能性がある。
こうしたリスクに備え、次世代車両で採用される通信規格におけるセキュリティを高めることは、業界にとって非常に重要な課題だ。こうした意味で、今回のアルガスサイバーセキュリティとNXPセミコンダクターズによる発表に注目する価値は十分にある。
ちなみにアメリカの法律家団体「The Federalist Society」は自動運転車におけるハッキングリスクについて触れるYouTube動画を公開しているので、参考にしてほしい。
【参考】関連記事としては「自動運転車、ハッカーからどう守る?(深掘り!自動運転×データ 第10回)」も参照。