愛知県の離島・日間賀島でMaaS実証!自動運転の社会実装見据え

1月25〜27日の3日間、大村知事も初日に試乗



実証実験のルート地図=出典:愛知県プレスリリース

愛知県は2020年1月13日までに、南知多町日間賀島で「離島における観光型MaaSによる移動」をテーマに据えた自動運転の実証実験を実施すると発表した。実施するのは1月25〜27日の3日間。初日には愛知県の大村秀章知事も試乗する予定だという。

愛知県は自動運転の実証実験に全国の自治体の中でもいち早く取り組んできたことで知られる。2016年度に実証実験に取り組み始めたあと、2018年度には遠隔型自動運転車を複数台同時に走らせ、2019年度も自動運転の社会実装を見据えた実証に取り組んでいる。


今回の実証実験で核となるのがNTTドコモで、アイサンテクノロジーと名古屋鉄道、日本信号、名古屋大学に、アイサンテクノロジーの外注先として参画するティアフォーと岡谷鋼機、損害保険ジャパン日本興亜が加わり、計7社・1大学で実施する。

■切符のQRコードから乗継情報など取得可能

今回の実証実験について、愛知県はそのハイライトとして「名古屋鉄道が発売する切符と連動した交通手段、観光情報の提供」「顔認証技術を活用した乗車確認」「名鉄バスの乗務員による運行」「島内にシェアサイクル(共用の自転車)を配備」の4つを掲げている。

一つめの「名古屋鉄道が発売する切符と連動した交通手段、観光情報の提供」では、切符のQRコードをスマホで読み込むと、鉄道や船舶の乗り継ぎ情報や自動運転バスの運行時間が分かるウェブページが開くというもの。シェアサイクルの利用方法のほか、観光情報も載っているという。

二つめの「顔認証技術を活用した乗車確認」は、自動運転バスの入り口に顔認証システムを設置し、乗車料金の決済で将来的に顔認証を活用することを想定した運用を試すという。


ちなみに自動運転バスは埼玉工業大学保有の車両を活用する。この自動運転バスにはティアフォーが開発を主導するオープンソースの自動運転OS(基本ソフト)「Autoware(オートウェア)」が搭載されており、自動運転の目と呼ばれるLiDARセンサーや高精度3次元(3D)マップを活用しながら走行する形だ。

■MaaSが導入しやすい離島での実証に注目

離島はMaaSが導入しやすいと言われている。離島は陸上移動における領域が限られており、連携すべき交通機関の数も一定数に留まる。そのためMaaSにおける交通機関の統合を進めやすい。

離島におけるMaaS実証としては、2019年11月から八重山諸島でも実証実験が開始されており、こちらの取り組みにも注目しておきたいところだ。

【参考】関連記事としては「公共交通の利用率が低い八重山諸島、乗り放題のMaaS実証開始へ」も参照。



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