自律走行(自動運転)ソリューションを手掛ける香港が本社のPerceptIn Japan合同会社(パーセプティン・ジャパン)は、現在行っている奈良県奈良市の平城宮跡歴史公園での自動運転バスの実証実験で、富士通のオンデマンドでの配車を実現するクラウドサービス「FUJITSU Future Mobility Accelerator オンデマンド交通サービス」を採用し、2020年1月18日から運用を開始すると発表した。
■自動運転車両の効率的な配車が可能か検証
実施中の実証実験では、パーセプティンが開発した自動運転技術と低速電動車両を利用した「マイクロ・ロボットタクシー」を使っている。ただ、停留所3カ所における乗車可能人数などについては各担当者がトランシーバーで連絡を取り合うアナログ的な形だったため、効率的な配車に課題があった。
新たな取り組みでは、富士通の「オンデマンド交通サービス」を組み合わせることで、エリア内で運行する自動運転車両の効率的な配車が可能なのか検証するもののようだ。
具体的には、停留所にいる予約受付担当が利用者の人数や時間などの予約情報を、運行車両に同乗しているセーフティードライバーが実際の乗降人数を、それぞれ専用アプリで入力するという形で運用し、需要に応じた配車や運行ができるようになるか試してみるという。
■富士通のオンデマンド交通サービスとは?
富士通のオンデマンド交通サービスは、バス事業者やタクシー事業者などの移動サービス提供者を対象としたもので、予約受付や運行管理などをクラウド上で一括して行うことができ、利用ニーズに応じて移動サービスを効率的に運営することでも貢献する。
実証実験も積極的に行っており、福島県伊達市では2018年2月から3月にかけ、同サービスを活用して遊休車両を有効活用する乗合送迎サービスの実証実験を実施している。また、単に効率的な配車のサポートにとどまらず、運転評価や保険などの外部サービスとの連携も検討しているようだ。
【参考】関連記事としては「公園をスマート化!低速自動運転のロボタクシー、奈良で登場!」も参照。