国土交通省は、衝突被害軽減ブレーキなどの装置を搭載した事業用車両の購入企業を対象に、装置費用に対して2分の1の補助を実施している。対象は2021年4月1日以降に購入した車両で、対象車種はバス車両やトラック車両、タクシー車両など。
衝突被害軽減ブレーキやふらつき注意喚起装置の搭載車両が増えれば、自動車事故の発生を未然に減らすことにつながる。導入費用の補助にはこうしたねらいがあり、いずれは自動運転システムの導入費用も補助されるようになるかもしれない。
ちなみに補助申請の受付は、2021年8月2日から同年11月30日までとなっている。詳しくは以下のページを参照してほしい。
▼先進安全自動車(ASV)の導入に対する支援(令和3年度) | 自動車総合安全情報
https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/01asv/esc_03.html
■補助対象装置は7種、対象車両もそれぞれ指定
報道発表によれば、補助の対象となる装置は7種類で、それぞれで対象車両が定められている。まず対象となる装置は以下の7種類となっている。
- 衝突被害軽減ブレーキ
- ふらつき注意喚起装置・車線逸脱警報装置・車線維持支援制御装置
- 車両安定性制御装置
- ドライバー異常時対応システム
- 先進ライト
- 側方衝突警報装置
- 統合制御型可変式速度超過抑制装置
それぞれの補助装置の補助率や補助額の上限については、以下の通りだ。ちなみに複数の装置を装着している場合、補助の上限額はトラックが15万円、バスが30万円、貸し切りバスが20万円となっている。
■自動運転システムへの補助が普及を加速させる
今回の補助はいずれもADAS(先進運転支援システム)装置に対するものだが、日本では現在、自動運転車の実用化・普及に向けた取り組みが進められており、冒頭でも触れた通り、いずれは自動運転システムの導入も補助の対象となる可能性は十分にあり得る。
事業者においてはコスト的な面から、新たな装置やシステムの導入に消極的な事業者も多いが、補助制度があれば導入が促される。そのため、自動運転システムの導入に補助をつけることは、自動運転の普及にも大きく貢献することになる。
【参考】関連記事としては「自動運転ロボ、コロナを機に導入補助金制度を創設したらどうか」も参照。