
米EVベンチャーのLucid Motors(ルーシッド・モーターズ)が、自動運転タクシー(ロボタクシー)のコンセプトモデル「Lunar」を発表した。
この車両は2人乗りで、ハンドルもペダルもない完全無人運転を想定したものとなっている。価格は5万ドル(約792万円)未満と、ロボタクシー車両としては非常に低価格での販売を計画しているという。
Lucidは高級EV(電気自動車)の開発を手掛けており、米テスラの「最大のライバル」とも呼ばれている。テスラは2025年6月からロボタクシーサービスを開始しているが、Lucidも配車最大手の米Uber Technologiesや自動運転技術の開発を手掛ける米Nuroとタッグを組み、2026年後半からロボットタクシーサービスを展開する予定となっている。
自動運転車両を自社開発し、サービス展開も自社で担っているテスラだが、Lucidのロボタクシー参入は大きな脅威になるかもしれない。
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■5万ドル未満の2人乗りロボタクシー車両を発表
Lucidは2026年3月12日、今後の事業規模の拡大や製品戦略についての方針を発表した。その中で、次世代の量販向けプレミアムEV市場に向けて開発している新しい車両基盤(アーキテクチャ)である「ミッドサイズ・プラットフォーム」について詳しく説明している。
Lucidはライバルであるテスラと同様、最上位セダンの「Lucid Air」や高級SUV「Gravity」など、ラグジュアリー感の強いEV路線を進めてきた。しかし今回発表したミッドサイズプラットフォームであるLunarは5万ドル未満という価格設定となっており、量産しやすく収益性を高められることが期待されている。
特筆すべきは、Lunarが2人乗りであるということだ。テスラも2人乗りのロボタクシー専用車両「Cybercab」を発表済みではあるが、まだ実用化はしていない。なお米国ではGoogle系の自動運転開発企業Waymo(ウェイモ)がロボタクシーサービスを各地で展開しているが、既存のセダンを改造した車両を採用しており、後部座席にのみ乗客が座れるという仕組みになっている。
米国以外でも2人乗りロボタクシーの実用化はまだなさそうだ。つまり、もしLunarを使用してのサービスが始まるのなら、世界初の2人乗りロボタクシーになるだろう。なお、ミッドサイズ・プラットフォームの一般向けモデルについては後日発表があるようだ。

■Uber初のロボタクシー車両にも採用
元テスラ幹部のバーナード・ツェ氏により2007年に設立されたLucid。同社はUber並びにNuroと次世代自動運転ロボタクシープログラムで提携したことを2025年7月に発表済みだ。
Lucidの最新EVにNuroのレベル4自動運転システム「Nuro Driver」を搭載したロボタクシーを、Uberのグローバルネットワークと車両管理システムと組み合わせ、快適性・安全性・拡張性を兼ね備えた完全統合型ロボタクシーサービスを展開していくという内容になる。これまでロボタクシーのプラットフォーマーとして各社と提携していたUberだが、Uber専用のロボタクシー車両でサービスを行うのは初となる。そしてLucidにとっても、この取り組みがロボタクシー事業への初参入となった。
UberのCEO(最高経営責任者)であるダラ・コスロシャヒ氏は、「私たちは世界中で自動運転車の展開を急速に進める中で、Lucidを重要な戦略的パートナーと位置付けている。Lucidの比類なき効率性、自動運転対応の車両アーキテクチャ、そして顧客中心のアプローチにより、グローバル規模で自動運転モビリティを共に提供できるという確信を持っている」とコメントしている。
業界トップのUberがパートナーとしてLucidを選んだということでも、Lucidの技術力の高さがうかがえる。
■【まとめ】Lucidの戦略は功を奏すか!?
低価格の2人乗りロボタクシー専用車両を発表したLucid。他社と提携せず、車両開発からロボタクシーサービス提供までを自社でまかなうテスラとはどう差が出ていくのだろうか。そしてLucidの完全ドライバーレス走行は早期実現するのだろうか。今後の動きに注目したい。
【参考】関連記事としては「Uber、ロボタクシー車両にテスラ選ばず!弱小Lucidを採用」も参照。












