Googleの自動運転車、歩行者との事故「92%減少」

Waymoが研究結果を発表



Google系の自動運転開発企業Waymo(ウェイモ)は2025年5月11日までに、同社の自動運転車が人間による運転よりも、大幅に事故を削減するという新たな研究結果を発表した。


人間のドライバーを比較すると、Waymoの自動運転システムは歩行者の場合、負傷事故を92%減少することができることが判明した。同社は今後も米国における重大な死因の1つである交通事故によるけがを大幅に減らすため、自動運転技術による取り組みを行っていく。

特に歩行者や自転車利用者といった「交通弱者」に対する保護を強化していくという。

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■「自動運転車 vs 人間の運転」

米国各地でドライバーレスの自動運転タクシー(ロボタクシー)サービスを展開しているWaymo。ロボタクシーを運行している都市において道路をより安全なものにするためには、重大な事故を減らし、歩行者や自転車利用者、その他の交通弱者への保護を強化することが重要だと考えている。それが「Vision Zero(交通事故死ゼロ)」の実現につながるという。


Waymoは5,670万マイル(9,125万キロ)を走行した同社の自動運転システム「Waymo Driver」と人間のドライバーについて、下記の11種類の異なる事故タイプにおけるパフォーマンスについて比較した。

  • 自転車利用者
  • バイク利用者
  • 歩行者
  • Secondary Crash(二次衝突)
  • Single Vehicle(単独車両)
  • V2V Backing(車両対車両の後退中の衝突)
  • V2V F2R(車両対車両の前方から後方への衝突:後続車が前方の車に追突)
  • V2V Opp.Dir.(車両同士が反対方向から進行して衝突)
  • V2V Intersection(車両対車両の交差点での衝突)
  • V2V Lateral(車両同士が横から衝突:車線変更時に隣の車両と接触するなど)
  • その他

■歩行者との事故を92%減少

検証の結果、Waymo Driverは歩行者の場合92%、自転車やバイク利用者の場合82%、けがを伴う事故を大幅に削減可能なことが分かった。さらに交差点でのけがを伴う事故が96%減少した。

出典:Waymoプレスリリース

▼詳しい論文データ
https://storage.googleapis.com/waymo-uploads/files/documents/safety/Safety%20Impact%20Crash%20Type%20Manuscript.pdf


NHTSA(米国運輸省道路交通安全局)によると、交差点での事故は人間のドライバーにとって重大な被害の主要原因となっている。しかしWaymo Driverは赤信号を無視する車両を検知し適切に反応できる能力により、事故の大幅削減を実現した。

またWaymo Driverは人間の運転と比較し、重大なけがが疑われる事故を85%減少させた。ただし重大なけがの事故は発生頻度が少ないため、少数の事例に基づいたデータとなっている。Waymoは今後も走行距離を重ねながら、より確かな検証を行っていく予定だ。

なお今回の研究では、過失の有無は加味されていない。しかし大手保険会社Swiss Reが以前発表した研究によると、過失の有無を考慮した場合はWaymo Driverの優位性がさらに顕著になるようだ。

■さらに安全性を追求していく構え

今回の研究結果は、Waymoの自動運転車が最も危険なタイプの事故を減らし、道路の安全性向上に貢献し、交通事故による死亡や重傷者ゼロを目指すビジョンの実現に向けて前進しているということの裏付けとなった。

同社の最高安全責任者(Chief Safety Officer:CSO)であるMauricio Peña氏は「Waymoは全米の街で実際に安全性向上というポジティブな影響を与えている。この研究は、Waymo Driverが重大事故の削減や全ての道路利用者の保護において重要な役割を果たしているという、増え続ける証拠を強化するものになる」と同社の安全性に自信を見せている。

またGHSA(全米州高速道路安全協会)のCEOであるJonathan Adkins氏は「Waymoが安全面で人間のドライバーを上回っているというデータが示されたことは心強いことだ。特に歩行者や自転車利用者にとっては、事故やけがが少なくなるということは、自動運転車に我々が求めていることで、まさに理想的な進歩だと言える」と、Waymoを評価した。

■突発的なトラブルにおいては…

自動運転車は、人間のドライバーのようなヒューマンエラーは決して起こさない。しかしイレギュラーな事態が発生した場合、カスタマーサービスに電話して対応をあおがないといけなく、人間よりもとっさの対応力はまだまだ劣っていると言える。

Waymoのロボタクシーについても小さなトラブルは頻繁に発生しており、ユーザーからの訴訟問題に発展しているケースもある。最終的に細かい部分まで人間の運転より優れていると言えるようになった際、自動運転車は安全性について圧倒的な優位性を持つことになるだろう。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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