ドライバーレスの自動運転タクシーの商用運行を行っている米Google系の自動運転開発企業Waymo(ウェイモ)が、たびたび駐車違反をしていることが判明した。
サンフランシスコ市の交通局の記録によると、2024年にWaymoの自動運転タクシーは589件の駐車違反切符を切られた。また交通妨害や道路清掃規制の無視、禁止エリアへの駐車などの違反により合計6万5,065ドル(約967万円)の罰金が同社に科されていたという。
米メディアのサンフランシスコ・スタンダードによると、2024年はサンフランシスコ市内全体で切られた駐車違反切符は約119万件であったようだ。Waymoによる違反の割合は0.049%である。
これを多いとみるか少ないとみるかは分かれるところだ。しかし自動運転車はヒューマンエラーが起きないため安全性が高いことが一番のメリットだと言われている中で、月にして約50回の駐車違反をしていることは、改善が必要な点だと言える。
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■なぜ駐車違反をするのか

Waymoの自動運転タクシーは、利用登録を制限してサンフランシスコでサービスを展開していたが、2024年6月以降は誰でも利用できるようになった。同社はサンフランシスコで300台以上の車両を運行し、24時間体制で乗客を運んでおり、2024年9月時点でサンフランシスコ市内では累計1,000万マイル(1,609万キロ)以上を走行している。
米メディアではWaymoの駐車違反の例として、サンフランシスコの駐車監視員の話が紹介されている。道路清掃のために駐車禁止となる時間帯にWaymo車が駐車していたため、監視員は駐車違反切符を切った。クラクションを鳴らしてもクルマは動く様子がなかったため、96ドルの違反切符をフロントガラスに貼り付けた。しかしその直後、乗客がWaymo車に乗り込み、そのまま走り去ったという。
Waymoの広報担当は駐車違反の問題について「Waymoの車両は乗客の乗降時に最も安全な対応を取るよう設計されており、多くの駐車違反はこのタイミングで発生している」と説明した。また「駐車違反の回避能力を向上させるための改良を進めており、発行された違反切符は全て支払っている」ともコメントしている。
同社の車両は交通の妨害を検知し、適切な駐車スペースを認識可能だ。しかし乗客の降車する際に混雑した幹線道路や目的地から遠く離れた場所しか選択肢がない場合は、商業用の荷降ろしゾーンに一時的に停車することもあるという。また、Waymoの拠点から離れた場所では、次の乗車まで短時間駐車することもあり、こういった状況が駐車違反につながったようだ。
なおWaymoのドライバーレスの自動運転タクシーは、2024年ロサンゼルスでは追加で75件の違反切符を切られ、そのうち543ドル(約8万円)の罰金が未払いとなっていると報道されている。同社はロサンゼルスで2024年4月にユーザーを限定してサービスをスタートし、同年11月からは一般向けにもサービスを提供している。
【参考】関連記事としては「米国、早くも自動運転タクシーの「普及期に移行」か Googleが急速にエリア拡大」も参照。
■交通機関の運行を2時間12分妨害したデータも
サンフランシスコ市交通局によると、2024年はWaymoの車両がバスや路面電車を妨害したり衝突したりしたことで、市の交通機関の運行が合計2時間12分妨げられたという。
また、過去には緊急出動中の消防車がWaymo車により進路を妨げられたこともあった。そのためにサンフランシスコではカリフォルニア州の規制当局に対し、より厳格な監視を要望しているようだ。
■改善すべき点はまだまだある
2018年に世界で初めて自動運転タクシーを商用化し、サービス拡大を行ってきたWaymo。展開エリアにおいては自動運転タクシーが走る光景は徐々に日常的なものとなりつつあるが、改善しなければならない問題はまだまだある。
【参考】関連記事としては「米加州、自動運転車の事故の「報告義務」強化!トラブル続出で」も参照。