2024年Q3資金調達、Google系自動運転ベンチャーが50億ドルで首位

トヨタ出資のAuroraは11位

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2024年第3四半期(7〜9月)の海外スタートアップ資金調達ランキングにおいて、Google系の自動運転開発企業である米Waymo(ウェイモ)が50億ドルで1位、トヨタとも提携している自動運転開発企業の米Aurora Innovation(オーロラ・イノベーション)が11位に入った。

自動運転関連スタートアップの存在感が大きく、自動運転車の実用化が進むにつれてさらにこの傾向が強くなりそうだ。また、EV(電気自動車)やAI(人工知能)関連のスタートアップも多くランクインしている。いずれも自動運転車に欠かせない技術になる。

【自動運転ラボの視点】
Q3に関しては、WaymoはGoogleを傘下に有するAlphabetからの資金調達であり、実質的に親会社からの大規模なマネー流入によって1位だったという視点は持っておきたい。ただしQ4に入ってからは、Alphabet主導の資金調達ラウンドでグループ外からの出資を含めて56億ドルの資金調達を行っており、今後も広く出資を集められるか、注目したいところだ。
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■2024年3Qの海外スタートアップ資金調達ランキング

この調査を行ったのは、国内最大級のスタートアップメディア「Uniqorns(ユニコーンズ)」を運営する株式会社EmolutionCreativeだ。2024年7月1日から2024年9月30日までのデータを集計したレポートになっており、20位まで発表している。なお集計にあたっては、主にプレスリリースやニュース記事を情報源として使用しているという。

順位 企業 事業概要
1位 Waymo 米国 自律走行車の技術を開発
2位 Lucid Motors 米国 最先端のEVを製造
2位 Anduril 米国 自律型軍事システム
4位 Safe Superintelligence 米国 AIスタートアップ
5位 Clio カナダ 法律事務所のオペレーティングシステムを提供
6位 LumApps SAS フランス 社内ポータルサイト作成ツール
7位 Groq 米国 大規模な言語モデルを実行するために特化したチップを開発
8位 Cohere カナダ 企業向けAIプラットフォーム
8位 OpenAI 米国 AIの研究開発と実用化、ChatGPTを開発
10位 Helsing ドイツ AIを活用した軍事ソリューションとコンポーネントの開発
11位 Aurora Innovation 米国 自動運転技術の開発
12位 Nio 中国 スマートEV
13位 Kiteworks 米国 セキュアなコミュニケーションとファイル共有ソリューションを提供
14位 Bolt エストニア 配車アプリやフードデリバリーを展開
15位 Infinite Reality 米国 メタバース技術の開発
16位 Zepto インド 日用品や食料品を10分以内に配達する電子食料品会社
17位 Magic 米国 ジェネレーティブAIコーディング
18位 Cribl 米国 データインフラ
19位 Skild AI 米国 ロボットを動かす技術を開発
19位 Applied Intuition 米国 自動運転システム開発のためのソフトウェアを開発

■Waymoが50億ドル調達でトップ

1位のWaymoは50億ドル(約7,467億円)を調達した。同社はGoogleの自動運転部門を分社化して2016年に誕生した企業だ。2018年に世界で初めて自動運転タクシーを商用化した。現在は米国内の数カ所で、完全無人の自動運転タクシーサービスを展開している。

11位のAurora Innovationは4.83億ドルを調達している。同社はGoogleやテスラ、Uber出身の技術者3人が中心となり、2016年に設立された。2021年にはトヨタ・デンソーと戦略的パートナーシップを締結している。同年に米ナスダック市場に上場しているため、「元スタートアップ」と呼んだ方がいいかもしれない。

【参考】関連記事としては「Aurora Innovationの自動運転戦略」も参照。

そのほか、2位のLucid Motorsが運転支援ソフト開発を行っていたり、12位のNIOが「中国版テスラ」と呼ばれ自動運転技術の開発を行っていたりと、自動運転関連企業が多くランクインしている。

また14位のBoltは自動運転配送ロボットを活用したデリバリーサービスを手掛けたり、19位のApplied Intuitionは自動運転システム開発のためのソフトウェアを手掛け、2023年に自動運転用ソフトウェア開発企業の米Embark Technologyを買収したりと、いずれも自動運転業界で注目の企業となっている。

■20社中15社が北米の企業

今回のランキングでは、20社中15社が北米の企業という結果になった。そのほかは、フランス・ドイツ・中国・エストニア・インドとなる。資金調達額が多いということは、多くの期待や注目を集めているということを意味する。

ランキング上位の企業の今後の動きに引き続き注目だ。

▼世界では「自律走行スタートアップ」「電気自動車」「軍事スタートアップ」が大型調達!海外スタートアップ2024年第3四半期(7月〜9月)まとめ
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000075.000114014.html

【参考】関連記事としては「自動運転業界のスタートアップ一覧(2024年最新版)」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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