先日、トヨタ・レクサス車に搭載されたADAS(先進運転支援システム)の完成度が高すぎて「ほぼ自動運転!?」──といった主旨の記事をアップしたところ、思いのほか賛同する声が多く寄せられた。
ハイクオリティのADASとしてはやはりテスラの「Autopilot」や「FSD(Full Self-Driving)」が有名だが、実際問題、実はトヨタの方が技術的にはすでに上なのだろうか。
各社の自動運転レベル2(※レベル2は、運転支援システムの中では最上位のレベルとなる)の現状に迫ってみよう。
【参考】関連記事としては「自動運転、レベル2とレベル3の違いは?(2024年最新版)」も参照。
【参考】関連記事としては「テスラの自動運転技術・Autopilot/FSDを徹底分析(2024年最新版)」も参照。
記事の目次
編集部おすすめサービス<PR> | |
車業界への転職はパソナで!(転職エージェント) 転職後の平均年収837〜1,015万円!今すぐ無料登録を |
|
タクシーアプリなら「GO」(配車アプリ) クーポン超充実!「実質無料」のチャンスも! |
|
新車が月5,500円〜!ニコノリ(車のカーリース) 維持費コミコミ!頭金は0円でOK! |
|
自動車保険 スクエアbang!(一括見積もり) 「最も安い」自動車保険を選べる!見直すなら今! |
編集部おすすめサービス<PR> | |
パソナキャリア | |
転職後の平均年収837〜1,015万円 | |
タクシーアプリ GO | |
クーポンが充実!「乗車無料」のチャンス | |
ニコノリ | |
新車が月5,500円〜!頭金0円でOK! | |
スクエアbang! | |
「最も安い」自動車保険を提案! |
■トヨタのレベル2の評判
トヨタのレベル2を称賛する声は多い?
自動運転ラボが2024年10月16日付けでアップした「トヨタ・レクサス、完成度が高すぎて「ほぼ自動運転じゃん!」と話題に」は、「SNSでレクサスNX搭載ADASを褒めたたえるオーナーが散見される」──といった主旨の記事だ。
当記事に対し、ソーシャル経済メディア「NewsPicks」のピッカーからは意外?と肯定的な意見が出された。
- 「実際にRXで体験しているが楽なので高速道路での長距離移動に躊躇することがなくなった。また、アドバンスドドライブの渋滞時支援も強力なので、渋滞が予想される先週末のような日程でも出掛けるのに躊躇がなくなる。子供と山登りしてきた」
- 「人の命を預かっている自動車。命の重さを知っている日本メーカーは、オーバートークしないでしょう。ユーザーから、レベル高いと言わしめるあたりさすが」
- 「私は現行プリウスをKINTOで使用していてADASがほぼ自動運転だと感心して満足している」
- 「最近トヨタの動きを見ているとAppleに似たものを感じる。流行り物に安直に相乗りする事なく情勢を見極め、完成度を高めてから本格的に市場投入するところ。EVもそうだった。ブランド力を磨けるし、芯を持った会社はカッコいい」
- 「味付けが秀逸なのでしょうね。わが愛車、マツダCX-30もなかなか良い。提携関係のあるトヨタのシステムと共通化などしているのかな?」
- 「石橋を叩きわると揶揄されるトヨタ。トヨタから自動運転を搭載したという話は無いけど、実際は先頭に立っている?」
……といった感じだ。もちろん、
- 「全速度でハンズオフは日産のプロパイロット2.0ですね。現状は」
- 「私はレクサスに乗ったこともあるが、テスラの「オートパイロット」やメルセデス・ベンツ、BMWの一部車両の運転支援システムのほうが完成度が高いと感じた」
……など、他社押しの方もいる。各社とも質の高いレベル2を市場化しているのだろう。また、
- 「こう言うカタログでは全くわからない機能の比較を自動車メディアがやって欲しいんだけど」
このような意見もあった。各社の道路標識認識能力にばらつきがあるように、各社のADASにも得手不得手など性能に差があるはずだ。
アダプテッドクルーズコントロールやレーンキープアシストを中心に、付加機能を含めたADAS比較を見てみたいところだ。
【参考】自動運転ラボの記事については「トヨタ・レクサス、完成度が高すぎて「ほぼ自動運転じゃん!」と話題に」も参照。
■メーカー各社のレベル2
トヨタはPRに消極的?
横の比較が難しいレベル2だが、トヨタを評価する声が上がっているのは事実で、実際トヨタ製ADASの悪い話はほとんど耳にしない。クオリティの高さを疑う余地は特にないだろう。
レベル2関連では、ハンズオフとともにレベル3のアイズオフまで実用化したホンダをはじめ、メルセデス・ベンツやBMWなどのレベル3組も当然ながら評価が高い。
また、ソフトウェアアップデートにより自動運転化させることを公言しているテスラや、国内でいち早くレベル2+に相当するハンズオフ機能を実装した日産などが存在感を発揮している。両社ともPRに力を入れており、認知度も相当高い。
一方のトヨタは、ADASの宣伝にそれほど力を入れていないような印象を受ける。例えば、Lexus Teammateの「Advanced Drive」やMIRAIに搭載されたAdvanced Drive、Toyota Teammateにおける「アドバンスト ドライブ(渋滞時支援)」など、ハンズオフ運転が可能なシステムにもかかわらず、その旨を明確にうたっていない。
説明動画の中にさりげなくハンドルから手を離す場面が収録されているだけで、文面上「ハンズオフが可能」とするものは見当たらないのだ。日産「ProPILOT2.0」がハンズオフを前面に押し出す形でPRしているのとは対照的だ。
トヨタにとって、ADASはクルマを売るためのPR材料ではなく、あくまで安全性を高めるための技術なのだろう。もちろん、安全性をPRすることは間違いではなくむしろ正攻法で、トヨタもそれを否定する気はさらさらないだろう。
ただ、ハンズオフは高度な安全性に裏打ちされた「快適性」を高める技術であり、ユーザーが間違った使い方をすれば逆に重大事故につながる恐れもある。トヨタとしては、あえてPRしない戦略を採用しているのかもしれない。
対極のテスラはPRし過ぎ?
対極にいるのがテスラだ。テスラはADASに「Autopilot」や「FSD(Full Self-Driving)」といった自動運転を想起させる名称を付け、「将来的に自動運転に進化させる」ことを明言している。
そのネーミングをめぐり「自動運転と誤認させる」懸念から各国の裁判所や規制当局が是正措置を命じているが、今のところテスラはこれに応じていない。
なお、過去には過大気味に「自動化」をうたい消費者の誤認を誘発するような行為も目立ったが、現在ではシステムの説明に「ドライバー自身が車を監視する必要や責任があり、完全オートパイロットではありません」「フルセルフドライビング(監視付き) は、常に道路に注意を払う必要があるハンズオン機能です」と表記するなど、一定の改善を行っている。
【参考】自動運転への誤認については「世界で議論を呼ぶ「自動運転」表記、テスラ広告には禁止命令」も参照。
テスラは実質ハンズオフ可能に?
自動運転に前のめりなテスラだが、その技術に対する評価が高いのも事実だ。Autopilot、FSDとも現行はレベル2でハンズオフは不可能だが、その性能を確かめるためハンドルからほぼ手放し状態で運転する動画が巷にあふれている。
レベル2事故突出しているが、実態は?
米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)が公表している自動運転・ADAS搭載車によるクラッシュレポートでは、テスラのレベル2による事故件数が突出しているが、これには特有の事情が考えられる。
NHTSAによると、レベル2搭載車による衝突事故は、2021年7月から2024年9月までの間に1,770件報告されているが、このうち80%超の1,492件をテスラが占めているのだ。2番目に多いホンダでも110件だ。
数字だけ見るとテスラのADASは危険なのか?――と心配したくなるが、一概にそうは言えない。他社メーカーの大半がレベル2作動条件を高速道路や交差点の少ない幹線道路などに限定しているところ、テスラは住宅街など含めあらゆる道路で使用可能としている。速度は時速85マイル(約150 キロ)まで対応している。
つまり、ODD(運行設計領域)が他社に比べ非常に広いのだ。良くも悪くもどこでもレベル2を利用可能としているため、その分事故が多く発生しているものと思われる。
また、コネクテッド化も影響している可能性がある。通信環境を完全整備したテスラ車の事故は100%報告されるが、他メーカーのコクネテッド化されていないレベル2車両の事故が未報告となっている可能性もある。
もちろん、現実問題として事故が多く発生していることは事実であり、ADASとしてどうなの?と突っ込みたくなるが、見方を変えると、一定の精度で自動っぽい走行を可能としているため、テスラの過剰PRと相まってオーナーのモラルハザードを引き起こしている可能性も指摘できる。
システムの能力をオーナーが過信・油断し、事故を引き起こす――というものだ。明らかな誤認を含めると、米国・中国などで実際に死亡事故も発生しており、啓発必至の情勢となっている。
ただ、こうした誤認はシステムが一定の精度を上回っているからこそ引き起こされるという見方ができる。明らかにクオリティの低いアダプティブクルーズコントロールとレーンキープアシストの組み合わせでは、恐ろし過ぎて過信できないためだ。
また、テスラのすごいところは、前述した道路条件を選ばない点だ。高速道路でも市街地でも一定精度のレベル2を提供している。交差点や歩行者などにも対応している点は称賛に値する。
SNS「X」には、テスラオーナーが実際に体験した動画が多くアップされているので、以下一部を紹介する。
Here is highlight clip #1 from my full length FSD Supervised v12.5.6 End 2 End Highway test drive. The full length video is rendering and will be available later today. Enjoy this clip @Tesla_AI pic.twitter.com/LObwQw3Av9
— Chuck Cook (@chazman) October 15, 2024
※日本語訳:「FSD Supervised v12.5.6 End 2 End Highway テストドライブのフルレングスのハイライトクリップ #1 です。フルレングスのビデオはレンダリング中で、本日中に公開する」
【テスラ フル セルフドライビング(β版)】🚗
今回のハワイに来て1番驚いたのは、昔から使ってるハワイの自分のテスラ モデル3を、ソフトウェアアップデートした、「ほぼ自動運転レベル3」な機能である「フル セルフドライビング(FSD)β版」が、リリースされていたことです。… pic.twitter.com/0J49RBDkLD— 千葉功太郎 (@chibakotaro) August 30, 2024
テスラ「FSDベータ10 」vs 「FSD12.5」!
2021年9月にFSDベータ10のハンドリングを記録したのとまったく同じルートを12.5で走った記録。
12.5は介入ゼロ!!
(10は8回の介入と21回のナグ)
pic.twitter.com/wWCs3sB4k6— そねち | AIクリエイター (@AIsonesone) July 29, 2024
事実上手放し運転が解禁されているのか不明だが、ハンズオフ状態で走行する様子を収めた動画が多数アップされており、市街地におけるレベル2(+)としては非常に高性能と言える。
イーロン・マスクCEOによると、2025年のバージョンアップでFSDは自動運転化を果たすとしている。許認可の関係上実現するかは何とも言えないが、少なからず同社自身はレベル3一歩手前の状況まで達していると評価しているのだろう。
本気出せばトヨタも……?
独自路線を貫くテスラとの比較は難しいが、トヨタ・レクサスも相当なレベルまで技術を高めているはずで、その気になれば高速道路渋滞時のレベル3も実用化できるのではないか――とさえ思う。
普通に考えれば、トヨタの開発力は他メーカーに劣るものではない。米国拠点のTRIを中心にAI開発は盛んで、有力スタートアップとのパートナーシップも豊富だ。トヨタが本気を出せば、レベル3の実装やレベル4実証の加速もそう難しくないように思える。
恐らく、トヨタは戦略上そういった方針を採用しないだけなのではないだろうか。自家用車においては、実用域で使えないレベル3より実用域で使えるレベル2に力を入れ、運転する楽しさを今しばらく失わせることなく全体の安全性向上を図っているのではないだろうか。
ODDも必要以上に狭く設定することで「万が一」の事故発生を抑止していると見ることもできるだろう。
いずれも憶測にすぎないが、トヨタに限らず各メーカーともレベル2技術は数年前に比べ格段に上がっていることは間違いない。たいして上がっていない企業は、今後の自動運転開発競争で脱落必至となりそうだ。
■【まとめ】レベル2の比較は難しいが……
市街地における実質レベル2(+)を実現しているテスラが頭一つ抜け出している印象だが、事故の実態を分析しない限り何とも言えない状況だ。
トヨタも高水準に達しているものと思われるが、各社のレベル2の公正な比較は容易ではない。冗談抜きでガチ検証を実施してくれる中立的団体、組織の登場への期待感が高まっている。
【参考】トヨタの自動運転戦略については「トヨタの自動運転戦略(2024年最新版) 車種や機能の名前は?レベル2・レベル3は可能?」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)