日本の負け確定?韓国初の「自動運転夜間タクシー」登場

エリアを限定し、午後11時〜午前5時のみ走行

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韓国の首都ソウルの試験区域でこのほど、3台の自動運転タクシーの走行がスタートした。完全ドライバーレスの自動運転ではなく、状況によっては人間が運転を交代する形態での運行だという。2024年末までは運賃無料で運行するが、2025年からは有料化する予定だ。

日本でも自動運転タクシーサービスの実証実験が始まりつつあるが、有料での商用展開には至っていない。米国や中国などではすでに有料サービスが展開されている自動運転タクシー。日本はアメリカにも中国にも、そして韓国にも負けてしまうのか。

▼Seoul to Launch Korea’s First Late Night Autonomous Taxi Service, Bringing the Future of Mobility to Gangnam |Seoul Metropolitan Government
https://english.seoul.go.kr/seoul-to-launch-koreas-first-late-night-autonomous-taxi-service-bringing-the-future-of-mobility-to-gangnam/

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■平日深夜のみの運行

出典:Seoul Metropolitan Government

この自動運転タクシープログラムは、ソウル市南部の江南(カンナム)区のいくつかのエリアと、隣接する瑞草(ソチョ)区の一部のエリアで行われる。運行区域は11.7平方キロメートルとなる。3台の自動運転タクシーが、月〜金曜日の午後11時〜午前5時の時間帯に運行する。

米国でWaymoが展開しているような完全無人の自動運転タクシーではなく、安全のため運転手が同乗する。4車線以上の道路では自動運転モードで走行し、住宅街や通学路、狭い道などでは人間が運転するという。乗車定員は3人となっている。

サービス提供エリアも拡大する計画になっている。走行する自動運転タクシーの台数は、ユーザー需要やタクシー会社からのフィードバックに基づき増加する予定としている。

■車両は韓国製、自動運転システムは?

気になる自動運転タクシーのメーカーだが、韓国の自動車メーカーであるKGモビリティのEV(電気自動車)「Korando e-Motion」が使われている。これに自動運転システムを搭載し、運用するということのようだ。走行車両の3台のほか、予備として2台が用意されている。

自動運転技術を開発している企業については、現地メディアでは言及していない様子だ。

【自動運転ラボの視点】
KGモビリティは中国の自動運転スタートアップPony.ai(小馬智行)と共同で自動運転車を開発することを2024年7月に発表している。そのため今回の自動運転システムを手掛けたのは、Pony.aiなのかもしれない。なおPony.aiは2016年に設立され、中国と米カリフォルニア州を拠点に自動運転タクシーの開発を進めている。同社にはトヨタも出資しており、世界で注目されている中国系自動運転開発企業となっている。参考:Pony.aiの自動運転戦略|自動運転ラボ

■配車アプリで自動運転タクシーを選択可能

今回運行がスタートした自動運転タクシーは、韓国の配車アプリ「カカオタクシー(カカオT)」で配車依頼をすることができる。アプリのユーザーがサービス提供エリア内で配車依頼を行うと、オプションとして自動運転タクシーのオプションが表示される。希望する場合、選択すれば配車可能になるというわけだ。

出典:Seoul Metropolitan Government

しかし今のところ展開エリアは狭いため、どのくらいの需要があるかは未知数だ。好奇心で自動運転タクシーに乗ってみたいという人も多いかもしれない。

ソウル市では、特定エリアで自動運転バスがすでに運行をスタートしている。今回始まった自動運転タクシーが実用化されると、ますます便利になりそうだ。またどちらも夜間のみの運行となっている。同市は、交通量が少ない夜間から自動運転車の実装を始めるという作戦を取っているようだ。

■日本ではホンダなどが商用化計画を発表

日本では、ホンダがパートナーシップを結ぶGM・Cruise勢と協力し、2026年初頭に東京都内で自動運転タクシーサービスを開始する計画を発表済みだ。また日産が2027年度をめどに、地方を含む3~4市町村において数十台規模のサービス提供開始を目指す計画を明かしている。

自動運転スタートアップのティアフォーも自動運転タクシーについて、2024年11月から交通事業者と共同で事業化を目指す方針を示している。2025年に東京都内3カ所、2027年には都内全域を対象とし、既存の交通事業と共存可能な自動運転タクシー事業を展開する計画だ。

このように、この数年で日本でも自動運転タクシーの取り組みは加速している印象だ。自動運転タクシーの本格的な定常運行または商用化は、日本と韓国のどちらが先になるのだろうか。それぞれの開発状況に注目だ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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