この記事では、フードデリバリー配達員の求人や応募方法、仕事内容などについて、代表的な4つのデリバリーサービス「Wolt(ウォルト)」「Uber Eats(ウーバーイーツ)」「出前館」「エニキャリ」についてそれぞれ説明する。
フードデリバリーはコロナ禍を契機に需要が拡大し、今や私たちの生活に欠かせないものになった。フードデリバリーの配達員は副業にしている人が多い。また本業として週に何万円も稼ぐ人もいるようだ。自分の好きな場所・時間に働くことができることから、フードデリバリー配達員は最近人気の職種となっている。
Uber Eats 配達パートナー
Uber Eats 配達パートナー
記事の目次
■おすすめの配達員募集サイト
自転車や軽自動車でデリバリー中の配達員を見かけたことがある人は多いはずだ。配達員のバッグなどに付いているロゴが印象的で覚えている人もいるだろう。まずはどんなデリバリーサービスで配達員を募集しているのかについて代表的なものを4つ紹介する。
Wolt(ウォルト)
北欧フィンランド・ヘルシンキ発のデリバリーサービスで、2020年から日本に進出した。ヨーロッパの多くの国でサービスを展開しているWoltだが、アジア初の進出先となったのが日本であった。配達員は「配達パートナー」と呼ばれている。水色のウェアやバッグに白で「Wolt」と書かれているロゴが印象的だ。
Woltではレストランからの料理のデリバリーのほか、食料品や日用品、酒類、ペット用品、おもちゃ、生花などのデリバリーも行っている。配達パートナー募集ページによると、サービス提供エリアは下記となっている。エリアにより取り扱っている内容が異なるため、確認が必要だ。
北海道、宮城県、愛媛県、岡山県、沖縄県、岩手県、宮崎県、熊本県、広島県、香川県、山形県、鹿児島県、秋田県、新潟県、青森県、静岡県、徳島県、福岡県、福島県、埼玉県、東京都、大阪府、愛知県
※該当都道府県でもサービス提供エリアの場合あり
【参考】関連記事としては「Wolt(ウォルト)配達パートナー、登録方法・報酬・服装・バッグのルール・規則は?」も参照。
【参考】関連記事としては「Wolt(ウォルト)配達パートナーの稼働可能エリアは?都道府県・市町村別に解説」も参照。
Uber Eats(ウーバーイーツ)
フードデリバリーサービスの代表的存在が、米国発のUber Eats(ウーバーイーツ)だ。2016年から日本でもサービスをスタートした。料理やファーストフードのほか、食料品、日用品なども扱っている。Uberは配車アプリのUberタクシーも展開しているため、これまでUberを利用したことがある人は多いのではないだろうか。なお配達員は、「配達パートナー」と呼ばれている。こちらは黒字に緑のロゴがトレードマークになっている。
Uber Eats(ウーバーイーツ)は現在、全都道府県でサービスを展開している。フードデリバリーを依頼することを「ウーバーする」とも表現するくらい、Uber Eats(ウーバーイーツ)は日本でもデリバリーサービスの代表格に成長した。
【参考】関連記事としては「Uber Eats(ウーバーイーツ)の配達パートナー、始め方・登録方法や報酬は?徹底解説」も参照。
【参考】関連記事としては「Uber Eats 配達パートナーの稼働可能エリアは?都道府県・市町村別」も参照。
出前館
日本最大級の出前サイトで、10万店舗以上取り扱い店舗数を有する。ピザや寿司、カレー、中華、弁当、パーティ用ケータリング・酒類などさまざまな料理・食品のフードデリバリーを行っている。現在、47都道府県全てでサービスを提供中だ。
「できたてをお届け」「清潔感のある身だしなみ」「正確なお届け時間」「分かりやすく誠意あるお問い合わせ対応」が特徴で、クレジットカードのほか各種QRコード払いなど多数の支払い方法に対応している。
エニキャリ
エニキャリは、ラストマイル物流に特化した物流ソリューション事業を展開している。各店舗からの配送を担当するプラットフォームを構築しているのがエニキャリだ。料理のほか、日用雑貨や薬などのデリバリーサービスも手掛けている。配達員は「キャリースタッフ」と呼ばれている。
エニキャリは、全国25都道府県・200以上の市町村で店舗からの即時配送を行う配送サービスを展開している。また、Amazonから委託された荷物の配送も担っている。稼働エリアは雇用形態により異なる。
■フードデリバリー配達員の求人・応募の流れ
次に、各デリバリーサービスにおける稼働までの手順を説明する。
Wolt(ウォルト)
18歳以上で一定の条件を満たしているなら、誰でも応募可能だ。簡単な5つのステップで、最短即日〜約1週間で配達可能になる。外国籍の場合は登録会参加が必須となっている。
- ①応募
- ②オンラインガイダンスと適性テストの受講(目安20分)
- ③アプリ内でAIによる身分証明書認証と必要書類のアップロード(目安10分)
- ④電子契約書への署名(目安5分)
- ⑤アカウント有効化
必要書類・要件は以下となる。
- 自転車、原付、または事業用ナンバーを取得した軽貨物(軽自動車・126cc以上のバイク)
- 運転免許証(自転車での登録の場合は不要)
- 写真付き有効期限内の身分証明書(外国籍の場合は+在留カード)
- SMS及び通話機能があるスマートフォン
- 外国籍の場合は就労制限のない在留資格
- 日本語JLPT N2レベル以上の資格
- 日本の銀行口座
以下のリンクから応募できる。
Uber Eats 配達パートナー
【参考】関連記事としては「Wolt(ウォルト)配達パートナーの登録方法・手順は?応募はどこから?」も参照。
Uber Eats(ウーバーイーツ)
18歳以上であれば配達パートナーとして登録可能だ。ドライバーアプリをダウンロードし、 アカウントを作成して書類を提出すると、72時間以内に承認される。その後に交通安全クイズを修了すると、最大72時間でアカウントが有効になり、利用規約に同意をすると配達がスタート可能になる。登録後はアプリをオンラインにするだけで、好きな時に稼働できるようになる。
- ①アカウント登録
- ②身分証明書や運転免許証など必要書類の提出
- ③アカウントの有効化
必要書類は下記となる。
【徒歩または自転車の場合】
- 身分証明書
- プロフィール写真
【原付バイク(125cc以下)の場合】
- 運転免許証
- 自賠責保険証書
- ナンバープレートの写真
- プロフィール写真
【軽自動車やバイク(125cc超)の場合】
- 運転免許証
- 車検証または軽自動車届出済証
- 自賠責保険証
- 任意保険または自動車共済証書
- ナンバープレートの写真
- プロフィール写真
以下のリンクから応募できる。
Uber Eats 配達パートナー
【参考】関連記事としては「Uber Eats の配達のやり方・方法は?アプリの使い方も解説」も参照。
出前館
出前館では、応募から土日祝日除く最短1日で配達開始できる。雇用形態は、Wolt(ウォルト)やUber Eats(ウーバーイーツ)と同様に業務委託で、成果報酬制となる。応募は18歳以上(高校生不可)で、日本語での会話が可能、任意保険への加入(バイク、車を利用する場合)という条件がある。
配達までのステップは下記となる。
- 応募
- 本登録
- 研修動画視聴
- 配達員アカウント発行
必要書類は下記だ。
【自転車の場合】
- 顔写真付きの本人確認書類
【バイク・または車の場合】
- 運転免許書
- 自賠責保険証明書
- 車検証(標識交付証明書/軽自動車届出済証)
- ナンバープレート写真
- 任意保険証明書
エニキャリ
エニキャリの配達員(キャリースタッフ)は、直接雇用の社員・アルバイトが中心となっている。この記事では、アルバイトについて説明する。15歳以上であれば働くことができるが、中学生は不可となっている。ユニフォームや自転車、配送用カバン、スマホバッテリーなどの配送に必要な物は全て揃っているため、手ぶらで出勤可能。また、待機所があるので休憩もゆっくり取ることができるようだ。最短で面談後の即日から勤務が可能だという。
「完全時給制」のアルバイト、出勤が必要といった点がWolt(ウォルト)やUber Eats(ウーバーイーツ)などと違う部分だ。WoltやUberは、業務形態は「業務委託」、報酬は「完全出来高制」となっている。また高校生でも勤務できるため、学生でも働きたい人には嬉しい点だろう。
エニキャリの稼働までのステップは以下だ。応募拠点は渋谷・神田・蒲田、勤務地は東京・横浜・名古屋・大阪のいずれかのようだ。
- ①公式LINEで面談日程調整
- ②ウェブ面接を実施
- ③合否連絡
■フードデリバリー配達員の仕事・アルバイト内容
配達パートナー・配達員またはデリバリーバイトの仕事の流れについて説明する。
業務委託の場合:Wolt(ウォルト)、Uber Eats(ウーバーイーツ)、出前館
登録後、稼働開始になれば、配達パートナー・配達員専用アプリで配達リクエストを受け付ける。配達場所などアプリ上に表示される情報にしたがって、飲食店に行き料理を受け取る。その後、注文者の自宅や勤務先などの指定場所へ届ける。1つの飲食店で数カ所への注文分の商品を受け取り、配達する仕組みもある。
専用アプリでは、配達ルートや報酬を確認できる。報酬は完全出来高制で、ピックアップ距離や配達距離、天候、都市の稼働状況などにより決定される。依頼を受ける前に報酬の総額をアプリ上で確認できる。週末や雨天時などフードデリバリー需要がアップする際は、報酬も高くなる仕組みになっていることがほとんどだ。
アルバイトの場合:エニキャリ
デリバリーバイトでは、決まった曜日に翌1週間分のシフトをアプリから提出する。電動アシスト付き自転車もしくは屋根付き3輪バイク、ユニフォームなど必要なものは全て用意されているが、スマートフォンは自分で用意する必要がある。
出勤後、店舗で商品を受け取り、注文者に届けるのが仕事だ。マップアプリに従って進むため、道に迷う心配もない。
■フードデリバリー配達員の報酬相場は?
各サービスの報酬の相場について、公式サイトなどを参照して紹介する。
Wolt(ウォルト)
時給制のアルバイトではなく、完全出来高制となる。そのため配達依頼1件ごとに報酬を得ることができる。1件あたりの報酬は、ピックアップ距離や配達距離、天候、都市の稼働状況、レストランの所在地などによって決定される。依頼を受ける前に報酬の総額をアプリ上で確認可能となっている。登録口座へ月2回振り込まれる。
公式サイトでは、1時間あたり1,500~2,000円ほどの報酬パターンが多いと記載されている。また報酬モデル例として、下記の金額が紹介されている。
・(原付) 週5日、7時間お仕事
1時間あたりの報酬 1,800円×7時間×5日→1週間:63,000円 4週間→252,000円
・(自転車) 週5日、7時間お仕事
1時間あたりの報酬 1,500円×7時間×5日→1週間:52,500円 4週間→210,000円
・(軽貨物・降雪都市・冬) 週5日、7時間お仕事
1時間あたりの報酬 2,000円×7時間×5日→1週間:70,000円 4週間→280,000円
【参考】関連記事としては「Wolt(ウォルト)配達パートナーの時給は?報酬はどれくらい?」も参照。
Uber Eats(ウーバーイーツ)
最終的に獲得する配送料は、「予定配送料(基本金額+配達調整金額)+チップ」で計算される。週払いとなる。
基本金額は、配達で獲得する配送料の基準となる金額だ。この金額は、配達に費やす予定時間、商品の受け取り場所や届け先が複数あるかどうかを基に算出される。また、注⽂数や稼働中の配達パートナーの⼈数によっても変動する。
配達調整金額は、通常の目安よりも交通状況が混雑している場合や商品受け取り場所での待ち時間が長い場合、配達パートナーの数が少なく通常よりも配達の需要が高い場合といった状況において加算されるものだ。
実際にどのくらい稼げるかについては、稼働するエリアや時間帯、需要の多さなどにより異なるため一概には言えないが、1回の配達で500円前後の報酬が得られることが多いようだ。1件の配送における所要時間は約15分で、1時間あたり4件請け負うことができる計算になる。コンスタントに配達リクエストが入った場合、時給にすると2,000円ほど稼げることになる。
【参考】関連記事としては「Uber Eats 配達パートナー、報酬の仕組み・よくある質問を徹底解説!」も参照。
出前館
報酬は1件の報酬×配達件数で決まる。配達報酬は「基本報酬(400円)×ブースト」で計算される。ブーストとは、配達距離や曜日、時間帯、天候などを考慮して上乗せされる報酬のことを指す。タイミングにより、配達員向けキャンペーンで酬がアップすることもある。
実際の報酬は、1件あたり450〜550円が多いようだ。バイクや自動車で移動時間を短縮し、数をこなすことで報酬アップが見込めそうだ。注文の入り方次第では時給2,000円ほどになるかもしれない。
エニキャリ
アルバイトは時給制で、東京の場合は時給1,100円以上となっている。完全時給制のため、一般的な業務委託のデリバリースタッフとは違い、安心して稼ぐことが可能だという点がメリットだ。ダブルワークもできる。
公式サイトでは、時給は下記となっている。給与は前払い可能で、全国のコンビニATMで働いた翌日以降に引き落としできる。
・東京・神奈川:1,100〜1,800円
・愛知:1,000〜1,600円
・大阪:1,030〜1,600円
■デリバリーサービス各社の特徴を紹介
デリバリーサービスの特徴やメリットについて、それぞれ詳しく説明する。
Wolt(ウォルト)
オンライン中(待機時間含む)の自身のけが、配達中の対人・対物事故の補償制度がる。またパートナー店の食事やテイクアウトでの割引がある。アプリを見せるだけで、対象店舗で10〜30%オフ・ドリンク無料といった内容になる。
そのほか、自転車洗車特典や軽貨物リースサポート、ガソリン代割引といった配達パートナーとして稼働するにあたり嬉しい特典も用意されている。
Uber Eats 配達パートナー
【参考】関連記事としては「Wolt(ウォルト)配達パートナーの特典まとめ!レストラン割引やガソリン割引」も参照。
Uber Eats(ウーバーイーツ)
仕事や日常生活の目標達成に役立つ特典をご提供するプログラム「Uber Eats Pro」という仕組みがある。配達を完了するたびに付与されるポイントを集めると、さまざまな特典が利用可能になる。
具体的には、レストランでの割引や安全装備購入の際の割引、オンラインでの優先サポートといったものだ。配達1件につき1ポイントが付与され、ランクが上がるほど、さらに多くの特典を利用できるようになる。
Uber Eats 配達パートナー
【参考】関連記事としては「Uber Eats 配達パートナー、報酬の仕組み・よくある質問を徹底解説!」も参照。
出前館
1配達で最大200円アップといったキャンペーンを行っていることがある。初めて出前館で働く人は、このタイミングを狙うのがいいかもしれない。
エニキャリ
ユニフォームや自転車、配送用カバン、スマホバッテリーなどの配送に必要な物は全て揃っているため、スマホを持てばそのほかは手ぶらで出勤できる。デリバリーの際の乗り物は、電動アシスト付き自転車または屋根付き3輪バイクが用意されている。
高校生でも応募できるのがエニキャリの大きな特徴となっている。
■よくある質問・Q&A集
配達パートナー・配達員の仕事を検討するにあたり、疑問点をQ&A方式で紹介する。
仕事はきつい?厳しい?
業務委託の配達パートナー・配達員の場合、自分のペースで働くことができるため、仕事が集中することはない。時間的・体力的にきつくなったら、仕事を受ける受けないは自分で決めることができるため、休みを好きに取ることができる。
多くの報酬を得ることは可能?
上記の回答と相反するようだが、業務委託で報酬アップするためには、より多くの案件を受けていく必要がある。体力的にきつくはなるかもしれないが、働けば働くほど多くの報酬を得ることができるのが、完全出来高制のメリットと言える。
日払い・週払いしてもらえる?
サービスにより、毎週払い、月2回払いなどと決まっている。
デリバリーに必要なバッグやウェアは自分で用意が必要?
エニキャリでは、全て支給となっている。その他のサービスでは、保温・保冷効果のあるバッグを用意する必要がある。各社で購入も可能で、配達バッグはWolt(ウォルト)で2,200円(中古品)または3,600円(新品)、Uber Eats(ウーバーイーツ)で4,000円などだ。キャンペーンなどで必要物が割引になったり支給されたりする場合もあるため。応募の際は確認しておきたい。
接客する必要はある?
やりとりをするのは、飲食店と注文者になる。丁寧な対応を心がける必要はあるが、セールスなどはすることはない。ただし食べ物を運ぶ以上、清潔感のある服装をすることを常に心がけよう。
■【まとめ】まずは登録しておけばすぐに稼働できる
近年、業務委託の配達パートナーなどの「ギグワーカー」といった働き方をする人が増えてきた。好きな時間に好きな場所で稼働できるため、副業として人気となっている。在宅でのリモートワークの運動不足解消に始める人もいるようだ。
時給制のアルバイトではないため、一度登録すれば必ず稼働しなくてはいけないというわけではない。空いた時間にデリバリーのオーダーを受けるというスタンスでいい。まずは登録しておけば、スキマ時間にお小遣い稼ぎができそうだ。
【参考】関連記事としては「タクシーアプリのクーポン情報まとめ!GO、S.RIDE、Uberなど」も参照。