米Uber、ユーロ圏で「海」に進出!水上ライドサービスを提供

ビジネス範囲を拡大、アプリでボートなど事前予約

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出典:Uberプレスリリース

ライドシェアの世界大手と言えば、米Uber Technologiesだ。ライドシェアというワードを定着させた次世代モビリティサービスのこの急成長企業が、ユーロ圏で「水上」でもサービスを展開し、ビジネスの幅を拡大している。

■Uberアプリでプライベートボートを事前予約

Uberは「Uber Boat」(ウーバー・ボート)や「Uber Cruise」(ウーバー・クルーズ)というサービスを、欧州の主要都市で展開し始めて話題になっている。ライドシェアではないが、プライベートボートを事前予約するサービスだ。

▼Uber Reserve
https://www.uber.com/us/en/ride/how-it-works/reserve/

7月26日からは地中海のイビサ島という小さな島でのサービスの事前予約の受付を開始し、8人までのグループで1,600ユーロ(約28万円)の費用を出せば、ヨットを貸し切りで使えるプランを展開する。

船旅は8時間のプランで、専属のスキッパー(艇長)がつき、無料のシャンパンボトル、そして地元産の軽食を含む食べ物類もついてくるようだ。こうしたサービスについてUberは、ギリシャでの展開についても発表している。

イタリアの水上都市ベニスでのサービス展開にも注目だ。リムジンボートをUberのアプリ経由でオンデマンドで呼び出すことができ、料金は1回120ユーロ(約2万1,000円)からとなっている。利用可能な時間帯は午前8時から午後8時までの12時間だ。

出典:Uberプレスリリース

■ユーロ圏ユーザーが順調に増加中

Uberがユーロ圏で水上を新たにビジネス範囲に含めたのは、ヨーロッパ各地の観光スポットでウーバーのサービスに対する需要が高まっていることを受けたものだ。

Uberが自社分析した2023年夏のデータによると、Uberのモビリティ・サービスに対する海外からの需要は、ギリシャやスペインなどで前年比で最大55%増加した。その時期に外国人客でヨーロッパの人気観光地でUberのアプリを開いたユーザー数は650万人以上に上るという。

こうしたUberのユーザー数の増加は、同社が新たに展開するサービスの追い風になる。Uberのアプリからは新サービスも予約することができるからだ。

▼Uber Boat launches across Europe this summer
https://www.uber.com/newsroom/uber-yacht/

■多国展開に加え、サービス多角化にも注力

Uberはアメリカ発の企業として世界でライドシェアサービスなどを展開しており、現在のところはこのライドシェアサービスが収益の柱だ。では日本における状況はどうか。

日本展開は恐らく、「苦戦している」と言っても間違いではないだろう。なぜかというと、日本ではやっと有償のライドシェアサービスが「日本版ライドシェア」として解禁されたが、ライドシェアサービスを運営できるのはタクシー会社に限られており、実質的にUber単独ではライドシェアが展開できないからだ。

Uberの日本法人であるUber Japanが設立されたのは2012年で、今年になってやっとライドシェアが部分解禁されたのに、まだ単独ではライドシェアサービスを展開できない状況は、かなりUber側にとってはもどかしい気持ちと予想される。

ただ日本を含む米国外での多国展開だけに固執せず、今回のようにサービスのフィールドに「水上」を加えるなど、事業拡大に積極的なUber。こうした姿勢が同社の持続的な成長を今後も支えていくと言えそうだ。

【参考】関連記事としては「Uber Japanが赤字転落、第11期決算は8,100万円の純損失」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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