テスラの自動運転技術、米国人の62%が懸念 大規模リコール後

フォーブスアドバイザーが実施



フォーブスアドバイザーが実施した調査によれば、米EV大手テスラの最近の大規模リコールのあと、アメリカ人の62%がテスラの自動運転技術の安全性と信頼性に懸念を示していたことが判明した。


■アメリカ人2,000人を対象に実施

同調査はアメリカ人2,000人を対象に2024年1月に実施され、「In light of recent recalls, how confident are you in the safety and reliability of Tesla‘s self-driving technology?(最近のリコールを踏まえて、テスラの自動運転技術の安全性と信頼性にどの程度自信がありますか?)」と質問が投げかけられた。

その結果が以下だ。「Not confident at all(まったく自信がない)」と「Not very confident(あまり自信がない)」を合計すると62%となり、多くのアメリカ人がテスラの自動運転技術に懸念を示していることになる。

  • 33%:Not confident at all(まったく自信がない)
  • 29%:Not very confident(あまり自信がない)
  • 25%:Somewhat confident(やや自信がある)
  • 13%:Very confident(とても自信がある)
■テスラの過去最大規模のリコール

テスラは2023年12月、アメリカの当局に200万台を超えるリコールを届け出た。自動運転の支援システムに関する問題が発覚したことが理由だ。

具体的には、自動運転支援システムを運転手が誤って使用することに対する対策が十分に行われていない、と判断したことなどが理由だ。過去最大規模のリコールとされており、アメリカ国内で大きな注目を集めた。


テスラに関しては、先進運転支援システムである「Autopilot」(オートパイロット)や「FSD(Full Self-Drivingの略称)」という名称が、ドライバーに機能に対する誤解を与えるという指摘があった経緯がある。

現時点ではテスラの車両は自動運転レベル2の段階で、一般的に「自動運転」と呼ばれる技術を市販車に搭載していない。

【自動運転ラボの視点】
「自動運転車」と呼べる水準に関してはさまざまな考え方があるが、最近は「レベル3以上」を自動運転車と呼ぶ傾向が強い。ホンダはレベル3機能を搭載した新型LEGENDを過去に発売し、Mercedesはオプションでレベル3機能を提供しており、これらが当てはまる。ただし、ホンダとMercedesのレベル3機能でも作動条件にさまざまな制約があり、完全自動運転と言える水準にはまだ遠い。
■フォーブスアドバイザーの調査結果に注目

フォーブスアドバイザーの調査結果は、以下のURLから確認できる。テスラに限らず、アメリカ人が自動運転技術をどのように捉えているかが調査されているので、興味がある人は閲覧してみてほしい。

▼93% Have Concerns About Self-Driving Cars According to New Forbes Legal Survey
https://www.forbes.com/advisor/legal/auto-accident/perception-of-self-driving-cars/


【参考】関連記事としては「アメリカの自動運転最新事情」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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