光ったら「自動運転バスが接近!」の合図 積水樹脂、実証向けに試作品展開

LED表示板でも注意喚起



出典:積水樹脂プレスリリース

化学メーカーの積水樹脂(本社:大阪府大阪市/代表取締役社長:馬場浩志)は、広島県呉市で行われる自動運転の実証実験で、「スマート道路鋲」と「LED表示板(オプトマーカー)」を提供する。

これらは、同社がトヨタや光波と共同開発した試作品で、歩行者が車両の接近状況や状態を直感的に理解でき、歩行者に安全な場所へのスムーズな移動を喚起することで、自動運転車両の安全な走行を支援するものだ。







スマート道路鋲は自動運転車両の接近と連動して光り、歩行者へ注意喚起することができるという、来たる自動運転時代に必要な設備になりそうだ。

■呉市で行われる自動運転車の実証

呉市と国土交通省中国地方整備局広島国道事務所は、呉駅と商店街「れんがどおり」を結ぶ約2キロのルートで自動運転車両を運行する「次世代モビリティ導入に向けた交通社会実験」を2024年1月18〜21日に実施。その中で、れんがどおりでは国土交通省により、自動運転車両接近時における路側からの歩行者に対する注意喚起の実証実験を行う。

使用車両は、GAUSSIN MACNICA MOBILITY(旧NAVYA)の自動運転バス「ARMA」で、最大時速19キロで走行する。乗車定員は最大15人だが、今回の実証における利用者の定員は8名となっている。なおGAUSSIN MACNICA MOBILITYは、自動運転開発にも注力する日本の半導体商社・マクニカと仏GAUSSINが設立した企業だ。

1日6便運行し、希望者は無料で乗車体験ができる。乗車予約は、呉市観光・地域振興アプリ「マイクレ」にて行う。

■積水樹脂、トヨタ、光波が共同開発した2製品

今回の実証において、積水樹脂、トヨタ、光波が共同開発した2つの製品が活用される。

スマート道路鋲は、動運転車両の接近と連動し、昼夜問わずフルカラー発光し、歩行者に対して注意喚起を行うことができる。従来の製品は薄暮から夜間時に単色発光していたが、スマート道路鋲は二方向への発光とフルカラー発光というのが特徴だ。

出典:積水樹脂プレスリリース

また、LED表示板(オプトマーカー)は、自動運転車両の接近と連動して点滅表示とスクロール表示にて注意喚起を行うものだ。「注意」「自動運転車両接近」といった文言を表示させることができるようだ。

出典:積水樹脂プレスリリース

実証ではスマート道路鋲は商店街の車道と歩道の間にある路肩の駐輪場付近に設置される。LED表示板は、設置した柱に目線の高さで見やすく装備されているようだ。

■アークノハラや市光工業も開発を手掛ける

これまでにも、歩行者に自動運転車の存在や自動運転中であること知らせる取り組みは行われている。

道路標識などを手掛けるアークノハラは、「ICT LED 電光掲示板」を開発している。自動運転車両などと通信し、自動運転車両などが停留所に接近したり、事前に指定した位置を通過したりする際に、文章を表示することができる装置だ。自動運転バスが近づくと、「自動運転バス 接近中」などと表示し、一般車両に注意を促すことができる。

【参考】関連記事としては「自動運転バスが近づくと、電光掲示板に「接近中」と表示」も参照。

また、ランプなどの自動車部品を製造する市光工業とソフトバンク子会社のBOLDLYは、自動運転車から周囲の歩行者やドライバーへのコミュニケーションを支援する外向けHMI(ヒューマン・マシーン・インターフェース)を用いた公道実証を2023年6月に茨城県境町で行った。

将来のレベル4での自動運転サービスを見据えたもので、定常運行している自動運転バスに市光工業が開発したディスプレーを設置し、車両の状況に合わせて、「発進」「横断者あり」「停車」「右折」「左折」「あいさつ」などを意味するサインを文字や表情で表示するという内容であった。

■海外でも開発進む「知らせる仕組み」

独メルセデスは米カリフォルニア州とネバダ州で、自動運転用特殊エクステリアマーカーライトの使用許可を世界で初めて取得している。「ターコイズカラー」のマーカーライトにより、自動運転レベル3の作動状況を周囲に知らせることができる。

自動運転の実装を進めるにあたり、こういった周囲への注意喚起は必須となっていくだろう。各社の取り組みに注目だ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)









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