トヨタレクサスのADAS、進化再び!新型UX、交差点衝突回避を支援

「走りの味」もさらに深化



出典:トヨタプレスリリース

トヨタの高級車ブランド「レクサス」が、ADAS(先進運転支援システム)を進化させた新型「UX」の国内仕様車を2023年12月25日までに発表した。

新型UXでは最新の予防安全技術「Lexus Safety System +」の機能が拡充されており、交差点における衝突回避を支援するなど、安全性や利便性、操作性が向上した。事故の防止や交通事故死傷者のさらなる低減、ドライバーの負担軽減に寄与する技術革新だ。


■「Lexus Safety System +」が進化

具体的には、「プリクラッシュセーフティ(PCS)」の検出対象と機能を拡大させた。ミリ波レーダーと単眼カメラを組みわせたセンサーにより高い認識性能と信頼性を担保することで、作動対象を拡大し、自動二輪車(昼)や自転車運転者(夜)の検出対象に拡大している。

さらに、交差点衝突回避支援(出会い頭車両)機能も新たに装備し、従来のPCSの作動範囲に加え、交差点で交差する車両・自動二輪車に対しても、衝突回避の支援を行うことが可能になった。

■レクサスの電動車普及を牽引

レクサスによると、UXは2018年の発売以降、2023年10月末時点で80以上の国と地域で累計約34万台を販売しているという。また電動車販売比率90%を達成するなど、レクサスの電動車普及を牽引してきた存在だ。

新型UXは、HEV(ハイブリッド式自動車)モデルの「UX300h」とBEV(バッテリー式電動自動車)モデルの「UX300e」をラインアップしている。UX300hは、ハイブリッドシステムのシステム出力を向上するなど、上質ですっきりと奥深い「走りの味の深化」を果たし、従来のUX250hから車名変更した。


またUX300eは、2023年3月の改良により実現した走りの深化や航続距離512キロに加え、急速充電時間を約25%短縮することで、より使い勝手の良いBEVへ進化したという。

「走りの味」は、トヨタがクルマづくりにおいてこだわっている部分だ。今回発表された新型UXは、さらなる「走りの味の深化」と「先進装備の進化」を織り込んだものになるという。

出典:トヨタプレスリリース
■「走りの味」の深化とは

新型UXでは、ドライバーの意図に忠実な加速性能と車速コントロール性が向上している。

ドライバーの志向に合わせた走りを実現するため、加速度センサーでドライバーの意図を読み取り、制動力と駆動力を制御するという内容になる。スポーツ志向の高いモードでの走行を継続している場合は、アクセルオフ時の減速アシスト増加や、エンジンの待機回転数維持による再加速アシストを行うことで、クルマとの一体感をより感じられるコントロール性を実現しているという。


また、アクセルオフ時の減速度を高めることにより、アクセルペダルで車速コントロール性を容易にし、ブレーキ操作負荷を軽減している。さらに登降坂制御により、路面勾配に応じて加減速をアシストすることで、勾配路でのアクセルやブレーキ操作を軽減し、スムーズでレスポンスの良い走りを可能にしている。

出典:トヨタプレスリリース
出典:トヨタプレスリリース

そのほか、スムーズなブレーキフィーリングとペダル質感を向上するブレーキシステムにより、ペダル操作時の上質なブレーキコントロール性を実現した。運転を楽しむ「走りの味」にこだわるトヨタならではのアップグレードだと言える。

■自動運転車の発表はまだ先なのか?

世界の大手自動車メーカー各社が乗用車の自動運転開発を進めている中、トヨタは自動運転関連としては自動運転シャトルe-Palette」の発表を行うなどに現状とどまっている印象だ。

まずは自分で運転することを楽しみ、ADASで安全のために支援を行うといった方針なのかもしれない。実際、自分で運転することが気分転換であったり趣味であったりとしている人は多い。自動運転化社会になったとしても、そういった需要がゼロにならないことは確かだ。

【参考】関連記事としては「トヨタLEXUSの新型「UX」、自動運転は可能?」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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