トヨタLEXUSの新型「UX」、自動運転は可能?

「Lexus Safety System +」の機能拡充



出典:トヨタプレスリリース

トヨタ・レクサスは2022年7月、新型「UX250h/200」を発売した。新型UXは、レクサスがクルマづくりにおいて大切にしている「Always On」の考えのもと、ボディ剛性を強化し、上質さとダイレクト感やレスポンスを追求した「奥深い走りの味の深化」に取り組んだ。

また、予防安全技術「Lexus Safety System +」の機能拡充により、先進装備の進化にも挑戦した車両となっている。読者の中には「自動運転ができるのか?」と気になっている人も少なくないはずだ。この点については、後ほど説明する。


さらに、大型化・高解像度化したタッチディスプレイを搭載した最新のマルチメディアシステムを採用したり、「デジタルキー」を備えたりするなど、利便性も向上している。新型UXには、トヨタの先端技術が詰め込まれている。

■具体的な性能は?
「Lexus Safety System +」の拡充

Lexus Safety System +とは、交通事故防止を目的とした予防安全パッケージのことだ。ミリ波レーダーと単眼カメラで歩行者や障害物などを検知することで衝突を回避したり、車線をトレースして運転支援などを行ったりするシステムだ。

今回さらに進化したのは、昼間の自転車や夜間の歩行者も検知可能な「プリクラッシュセーフティ」の対応領域を拡大したことだ。これにより、交差点右折前に前方から来る対向直進車や、右左折時に前方から来る横断歩行者も検知可能となった。

さらに、同一車線内中央を走行できるよう操舵を支援する高度運転支援機能「レーントレーシングアシスト」の支援範囲拡大や、前走車との距離を一定に保つ「レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)」にカーブ速度抑制機能なども追加された。


非常時にはハザードやホーンで車内外に警告しながら停車して事故の発生を回避するといったドライバー異常時対応システムも追加され、安全性の向上が期待される。

冒頭触れた「自動運転ができるのか?」という問いに対しては、「自動運転はできない」というのが結論だが、運転支援技術としては国内最高レベルといって差し支えなさそうだ。

スマホで解錠できるデジタルキー
出典:トヨタプレスリリース

スマートフォンをデジタルキーとして使用できることにも注目したい。専用アプリをインストールすることで、スマートフォンでドアの施錠・解錠やエンジンスタートが可能になる。

スマートフォン間でのデジタルキー受け渡しもできるため、家族や友人間で車を共有する際、直接鍵の受け渡しを行わずにスムーズに共有ができそうだ。


ちなみに、アプリ「My LEXUS」で車の燃料残量や走行距離の確認も可能だ。車のエンジン始動を禁止する「マイカー始動ロック」機能も付いているため、長期間の旅行や出張でのセキュリティの向上につながるという。

ディスプレイも大型化!使い勝手向上
出典:トヨタプレスリリース

床下透過表示機能も新たに追加された。車両の前後左右に搭載したカメラの映像を合成してセンターディスプレイに表示するパノラミックビューモニターに、過去撮影した路面の映像を車両直下に合成表示することで、車両下方の路面状況やタイヤ位置などの把握を補助する。

また、ディスプレイも大型化、高解像度化している。よりドライバーに近い側に設置されていることで、使いやすさも向上した。マルチメディアシステムも充実し、充電用USBコネクタをコンソール前方に新たに2個追加するなど、より運転が快適に行えるモデルに進化した。

■OTAによるアップデート機能も採用

このほか、OTA(Over the Air)ソフトウェアアップデート機能が採用されている点にも注目だ。新型UXは自動運転車というわけではないが、トヨタの最先端技術を集結させた注目の車両であることは間違いない。今後もアップデートを重ね、さらなる進化が期待される。

【参考】関連記事としては「トヨタの自動運転戦略」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




関連記事