GM Cruise、車いす対応の自動運転シャトルを発表!2024年にデビューへ

ホンダと共同開発する「Origin」を改造



出典:Cruiseのカイル・フォークトCEO・X投稿

米GM(ゼネラルモーターズ)傘下のCruiseが、車いすに対応する自動運転シャトルのコンセプトカーを発表した。2024年までにデビューする予定だという。

この車両は、Cruise、GM、ホンダの3社が共同開発している自動運転モビリティサービス専用車両「Origin」を特別に改良したものになる。今回発表したのは第1世代の車両に過ぎず、その後ユーザーからのフィードバックに基づきデザインを更新していく予定のようだ。



■車いす対応自動運転車開発の背景

車いす対応車「WAV:Wheelchair-Accessible Vehicle」は、アクセシブル車両の設計パートナー企業の支援を受け、コンセプト開発に3年を費やしたという。また、アクセシビリティに関する諮問委員会にも相談し、開発を行ってきたようだ。

なお「アクセシビリティ」とは、特に障害者や高齢者などが不自由なく利用可能かどうかの度合いを示すものになる。

今回CruiseがWAVを開発したのは、自動運転車を開発する際に、障害を持つ人々にとってアクセシビリティが優先事項になっていないのでは?という疑問が周囲から出ていることが背景になっているようだ。

■Originを改造した車両の詳細

今回発表されたコンセプトカーはOriginの改良版とはいえ、アクセシビリティを念頭に一から設計された車両になるという。車体は低い床と高い天井で、シートは取り外し可能になっており、車椅子での移動を容易にするために全て改造されている。


車体には格納式のスロープが取り付けられており、車いすのままスムーズに乗車することができる。また車内のスペースが広くなり、車いすユーザーのための留め具も装備されている。

ただし、現時点では特定の機種の電動車いすにのみ対応している。また、今後も手動の車いすの場合は、介助者の助けが必要になる可能性があるとしている。

出典:Cruiseのカイル・フォークトCEO・X投稿
■フォークトCEOは「世界初」と投稿

今回の車いす対応自動運転車の発表についてCruiseのカイル・フォークトCEO(最高経営責任者)は、X(旧Twitter)で「世界初」とコメントしている。また、「可能な限り多くの車いすユーザーに対応する自動運転車を設計することは、これまでにない明確な技術的挑戦である」と語った。

なおXに投稿された動画では、車両停止後に車体が低くなり、左右に開いたドアからスロープが出てくる様子などが確認できる。同氏によると、2023年10月からクローズドコースでテストが行われ、2024年から試験的に運用を開始する予定だという。

Cruiseが水面下で開発を行ってきた車いす対応自動運転車が来年デビューするか、注目だ。

▼Cruise公式サイト
https://getcruise.com/

【参考】関連記事としては「GM Cruiseの自動運転戦略(2023年最新版)」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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