ドイツの高級車メーカーであるメルセデス・ベンツは2023年6月16日までに、米カリフォルニア州で自動運転レベル3のシステムの認可を取得した。
同州の道路管理局（DMV）が、指定された高速道路を自動運転で走行することを許可したものだ。
【参考】関連記事としては「自動運転レベルとは？（2023年最新版）」も参照。
■「日中のみ」「時速64キロ以内」の制限付き
メルセデスがカリフォルニア州で認可を得た自動運転システムは、レベル3のシステム「DRIVE PILOT」だ。これにより高速道路での自動運転走行が可能になるが、ドライバーは必要に応じ車両の制御をする必要がある。
これにより、ロサンゼルスやサンディエゴ、サクラメント、ベイエリア、セントラルバレーを含むカリフォルニアの高速道路で、DRIVE PILOTを作動することができるようになった。ただし、日中のみの走行で、時速40マイル（時速約64キロ）までの速度制限がある。
なお同社はすでにネバダ州においてもDRIVE PILOT導入の認可を得ている。そのため南カリフォルニアとネバダ州を結ぶ州間高速道路でも作動可能だという。
今回の認可により、メルセデスはカリフォルニア州でレベル3の自動運転システムを搭載した自動車の販売やリースを許可された初の自動車メーカーになったという。
■Sクラスなどに搭載可能な有料オプション
そもそもDRIVE PILOTは、2022年5月にドイツで展開が開始された自動運転システムだ。「Sクラス」やSクラスのEV版「EQS」に搭載可能な有料オプションとなっている。
ドライバーが10秒以内に引き継ぎ要求に応じない場合には、「ミニマム・リスク・マヌーバー（MRM）」技術により、自車と後続車などの安全に問題が起きないルートや場所で安全に停止することができる仕様となっている。
【参考】関連記事としては「自動運転における「ミニマム・リスク・マヌーバー（MRM）」とは？」も参照。
自動運転における「ミニマル・リスク・マヌーバー（MRM）」とは？ https://t.co/WH93LhVrm0 @jidountenlab #自動運転 #MRM #停車
— 自動運転ラボ (@jidountenlab) February 3, 2020
■DRIVE PILOTを米国で本格展開へ
メルセデスは、DRIVE PILOTと自動車線変更システム「ALC（Automatic Lane Change）」を米国の車両に搭載する計画であることを、2023年1月に明かしている。
GMやTeslaなどの米国の自動車メーカーより先に、同国でレベル3機能搭載の市販車を初めて展開できるようになったメルセデス。しかもメルセデスは個人向けのレベル4機能搭載の自動運転車の実用化を目指しており、2030年までに実現可能であると同社のCTO（最高技術責任者）が発言している。
レベル3だけでなくレベル4も視野に入れている同社の快進撃は止まる気配がない。
【参考】関連記事としては「「米国初」の自動運転レベル3、メルセデス濃厚」も参照。
