株式会社SkyDrive(本社:愛知県豊田市/代表取締役CEO:福澤知浩)が開発中の空飛ぶクルマが、世界三大デザイン賞の1つ「iFデザインアワード2023」を受賞した。
受賞したのは「SkyDrive式SD-05型」で、今年は56カ国から約1万1,000件の応募があったという。SD-05はどんなデザインの機体なのだろうか?
■個性的かつエレガントなデザイン
SD-05は2人乗りのeVTOL(電動垂直離着陸機)だ。機体サイズはプロペラ部分を含み全長9.4×全幅9.4×前高2.7メートルで、最大時速100キロ、最大航続距離約10キロ、実運用飛行時間5〜10分となっている。
今回は「The most accessible Flying Car(最も身近な・アクセスしやすい空飛ぶクルマ)」というコンセプトと、競合と一線を画す個性的かつエレガントなデザインが評価され、同賞を受賞したようだ。なお、SkyDriveは物流ドローン「SkyLift」においても、2021年度グッドデザイン賞を受賞している。
同社のデザインディレクター・デザイナーを務める山本卓身氏は「皆が実現させたい空の未来、空の道のため、デザインが貢献できることは大きいと思っています。このような受賞はとても励みになり、非常に嬉しいこと」とし、「今後も『日常の移動に空を活用する』未来を実現するべく、チーム一丸となって、頑張って参ります」とコメントしている。
■日本の空飛ぶクルマ開発をリード
SkyDriveは、2018年7月に「100年に一度のモビリティ革命を牽引する」のミッションのもと、有志団体CARTIVATOR(現Dream-On Management)から派生する形で設立された日本の有力ベンチャーの1社だ。
SD-05やSkyLiftのほか、SkyLiftを顧客が使用する際に運用に関する各種業務をワンストップで担うサービス「SkyLift Plus」も展開している。また2023年1月には、米国市場へ参入し2026年の商業運航を目指すことを発表した。
■すでに予約販売も開始
SD-05は同社の開発の中でも最も力をかけて取り組んでいる製品の1つで、2025年に開催予定の大阪・関西万博にて空飛ぶクルマの飛行実用化を目指して開発が進行中だ。
すでに予約販売を開始しており、まずは企業向けから受け付けを行い、2022年11月にベトナムのディベロッパーであるパシフィックグループから最大100機のプレオーダーを受けている。その後、個人向けにも予約販売を開始し、個人向け第1号機は実業家の千葉功太郎氏が予約購入した。また愛知県のトータルエンジニアリング企業である大豊産業ともプレオーダー契約を締結している。なお初回ロットの機体価格は、約150万ドル(約2億円)のようだ。
自動運転で空を移動できる新しい移動手段である空飛ぶクルマ。SkyDriveが目標として掲げている通り、私たちの日常の移動に空が利用される日も、そう遠くない。
【参考】関連記事としては「また「2億円」予約注文!日の丸ベンチャーの空飛ぶクルマ」も参照。