空飛ぶクルマなどの開発を手がける株式会社SkyDrive(本社:愛知県豊田市/代表取締役CEO:福澤知浩)は2023年4月19日までに、トータルエンジニアリング企業である大豊産業と、空飛ぶクルマ「SD-05」のプレオーダー契約を締結した。
SkyDriveは4月13日にも、SD-05の個人向け予約販売の第1号機を実業家の千葉功太郎氏が予約購入したことを発表している。なお機体の販売価格は、約2億円だと報道されている。
■続々と決まるプレオーダー契約
SD-05は、「電動」や「垂直離着陸」といった特徴を備えたコンパクトな2人乗りの航空機だ。パイロットが操縦するが、コンピュータ制御のアシストで飛行を安定させているという。
個人向けに先行し、企業向けから予約販売を行っており、2022年11月にはベトナムのディベロッパーであるパシフィックグループから最大100機のプレオーダーを受付済みだ。その次が個人向け第1号の千葉功太郎氏で、今回の大豊産業との契約はそれに続くものとみられる。
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■「四国のために」機体を購入へ
ちなみに大豊産業は香川県高松市に本社を構え、制御・計装機器の販売や保守、電気・通信・土木工事などを手掛ける企業だ。最近は畜産業界向けに自動走行・監視ロボットを自社開発するなど、ロボティクスをはじめとした新規分野への投資を積極的に行なっている。同社は四国の移動課題解決や地域活性化のため、空飛ぶクルマを活用することが重要と考え、予約購入に至ったという。
大豊産業の代表取締役社長である乾和行氏は「SkyDriveとエネルギーマネジメントを中心としたビジネスで連携できることをとても嬉しく、誇りに思います」とした上で、「遠い未来だと思っていた空飛ぶクルマの実現が、もう目前に迫っており、両者が協業し、地域社会の発展や世界の人々のより豊かな暮らしを実現していくことにワクワクが抑えきれません」とコメントしている。
SkyDriveと大豊産業は、四国での空飛ぶクルマの実用化実現のため、運航オペレーターやバーティポート(離発着場)、給電インフラのプロバイダーなどのあらゆるステークホルダーとともに協力して取り組んでいくとしている。
■売上があがってくることの重要性
SkyDriveは2023年4月初旬、シリーズCの追加調達を実施したことを発表した。 この追加調達ではその金額が発表されていないが、2022年9月時点の累計調達額は約147億円だと発表されている。
今回のSD-05や物流ドローン「SkyLift」の研究開発の原資となっているのが、こうした調達した資金だが、販売が開始され売上があがってくるようになれば、開発資金に余裕が出てくる。
資金不足は事業の存続に直結するため、相次ぐ機体の予約注文はSkyDriveにとって非常に重要な意味を持つと言える。
【参考】関連記事としては「空飛ぶクルマとは(2023年最新版)」も参照。