人気の高級車ブランドLEXUSのミニバン「LM」の新型が、2023年4月18〜27日に開催されている上海モーターショーで世界初公開された。
先進の予防安全技術「Lexus Safety System +」やADAS(先進運転支援システム)「Lexus Teammate」の機能が搭載されている車両となり、日本での発売は、2023年秋頃のようだ。
この新型LMは自動運転が可能なのか。
記事の目次
■性能が向上したLexus Safety System +
新型LMには自動運転機能はまだ搭載されていないものの、さまざまな最新技術が取り入れられている。
Lexus Safety System +は、交通事故防止を目的とした予防安全パッケージだ。ミリ波レーダーと単眼カメラで歩行者や障害物などを検知することで衝突を回避したり、車線をトレースして運転支援などを行ったりするシステムとなっている。
今回主に性能が向上した機能は、「プリクラッシュセーフティ(PCS)」と「レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)」、「レーンディパーチャーアラート(LDA)」、「ドライバー異常時対応システム」、「プロアクティブドライビングアシスト(PDA)」の5つにおいてだ。
プリクラッシュセーフティ(PCS)
プリクラッシュセーフティでは、ドライバーの脇見運転などをシステムが検知した場合、すぐにドライバーへ警告し、衝突回避や被害軽減をサポートする。
レーダークルーズコントロール
レーダークルーズコントロールは、ドライバーモニターの注意喚起機能が有効な場合、ドライバーに注意喚起を行うことと、通常運行時における安全マージンを確保することを助ける支援制御を行い、ドライバーが正常状態に復帰したときに、安心して運転を再開できるようにする。
レーンディパーチャーアラート(LDA)
レーンディパーチャーアラートは、ドライバーの脇見運転などをシステムが検知すると、通常より早いタイミングで警報や車線逸脱抑制が作動する。
ドライバー異常時対応システム
ドライバー異常時対応システムでは、レーントレーシングアシストを制御中、ドライバーの運転姿勢が大きく崩れた場合などにおいて、システムがドライバーの運転継続が困難と判断し、周囲に警告を行いながら緩やかに減速し、車線内に停車することなどができる。
プロアクティブドライビングアシスト(PDA)
プロアクティブドライビングアシストでは、歩行者の飛び出しなど状況に応じたリスクを先読みし、歩行者や自転車、駐車車両に近づきすぎないようステアリング・ブレーキ操作のサポートなどを行う。
■アドバンストドライブなども採用
また、ADAS(先進運転支援システム)「Lexus Teammate」の、渋滞時にシステムが認知・判断・操作を支援する機能「アドバンストドライブ(渋滞時支援)」と、スマートフォンにより遠隔で駐車・出庫が可能となる機能「アドバンストパーク(リモート機能付)」も採用しているという。
■乗り心地や静粛性、デザインも進化
新型LMは、心身共に自然体でいられるよう乗員の身体の動きを徹底的に分析し、特に頭部の揺れの軽減と視線の安定化を図ったシートになっているという。また後席の快適性を重視したドライブモードセレクト「Rear Comfort」モードをレクサスで初めて採用した。
さらに、「心地よく感じる自然な静けさ」にこだわり、「静粛感」のあるクルマになっているという。デザインにおいては、機能に根差したエクステリアと、快適性と利便性を両立した開放的なインテリアとなっている。
■あくまで現在の主戦場はADAS搭載車
新型LMに搭載された技術は、あくまで安全運転を補助的にサポートするものであり、自動運転機能とは言えない。ただし、あくまで現在の市販車の主戦場はADAS搭載車であり、この点でトヨタの戦略がおかしいとは言えない。
一方、今後トヨタが自動運転車を発表する日はいつなのか、世界中が期待して待っていることも事実だ。
【参考】関連記事としては「トヨタのレクサス新型「RX」、自動運転機能の搭載有無は?」も参照。