本命2者がタッグ!埼玉工大とアイサンテク、自動運転で連携

レベル4実現に向けて協力関係強化



出典:埼玉工業大学プレスリリース

埼玉工業大学とアイサンテクノロジー株式会社(本社:愛知県名古屋市/代表取締役社長:加藤淳)は2023年4月9日までに、自動運転技術の研究・開発において、協力関係を強化するために連携協定を締結したことを発表した。

両者は自動運転開発で積極的に実証実験などに取り組んでおり、日本における「本命」の2者と言える。その2者がタッグを組んだ格好だ。


■自動運転車両の開発などで協力関係を強化

今回の連携協定は、自動運転の社会実装の推進に向け、自動運転システム用オープンソースソフトウェア「Autoware(オートウェア)」をベースにした自動運転車両の開発や構築、実証実験参加での協力関係を強化することを目的としている。自動運転レベル4実現に向けても連携していくという。

埼玉工大とアイサンテクノロジーは、これまでも全国の自治体で行われた自動運転の実証実験に連携して参加してきた。2023年1月には千葉県の幕張新都心地域において、自動運転バスの実証を行った。これは千葉市が公募した「千葉市未来技術等社会実装促進事業の自動運転車社会実装サポート事業」のもと行われ、京成バスや損保ジャパン、建設技術研究所、東海理化も参加した。

今後両者は、「自動運転技術に関連した社会ニーズの掘り起こし」や「社会ニーズに即した自動運転技術の開発及び環境整備」、「自動運転オープンソースである『Autoware』を利用した技術開発」、「次世代モビリティサービスとしての自動運転技術の社会実装に向けた技術検討」、「自動運転技術の関連産業の振興」、「その他、自動運転に関する活動」といった点で協力関係を展開していくという。

■無人バス開発で存在感を示す埼玉工大

埼玉工大は「自動運転技術開発センター」を2019年4月に設立し、産学官と連携し国内トップレベルの自動運転技術の研究開発を推進している。同大学が開発する自動運転バスは、Autowareをベースに独自開発したソフトウエア「SAIKOカーWare」により、AI(人工知能)技術を積極的に採用し、レベル4実現を目指している。


2022年9月には、開発する大型自動運転バスを同大学のスクールバスとして導入した。これは私立大学初のことであった。同年10〜11月には、中部国際空港島での自動運転バスの実証実験に参加した。また愛知県の愛・地球博記念公園で2023年2月に行われた実証実験にも参加している。

■アイサンテクノロジーは実証実験の常連企業

アイサンテクノロジーは、「測る」技術を通じて豊かな未来の社会基盤づくりに貢献するという経営理念のもと、50年以上にわたって位置情報分野において事業を展開してきた。

最近は自動運転分野に注力し、高精度3次元地図データや移動体向け高精度測位ソリューション、自動運転コンサルティングサービスなどを手掛けている。自動運転実証では引く手あまたの企業となっており、さまざまな取り組みでよく名前を見掛ける企業だ。

■強力2社のタッグでレベル4実現へ

改正道路交通法が2023年4月1日に施行され、特定の場所での運転を完全に自動化する自動運転レベル4が解禁となった。自動運転の本格的な実装に向け、埼玉工大とアイサンテクノロジーは今後も数々の実証に参加していくのだろう。

これまでの協力関係をさらに強化した両者の今後に期待だ。

【参考】関連記事としては「自動運転レベルとは?(2023年最新版)」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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