普及に弾み!公道走行の自動配送ロボ、東京海上が専門保険提供へ

事前から事後まで包括して補償



2023年2月24日に開催された「第7回 自動走行ロボットを活用した配送の実現に向けた官民協議会」において、東京海上日動火災保険株式会社(本社:東京都千代田区/取締役社長:広瀬伸一)が「自動配送ロボットの安心・安全な普及に向けて」という資料を公開している。


この資料では、自動配送ロボット専用保険の全体像が紹介されており、「2023年4月から公道走行が可能となる自動配送ロボット(遠隔操作型小型車)向けの専用保険をご提供」との記載がある。

▼資料9:自動配送ロボットの安心・安全な普及に向けて|東京海上日動火災保険
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/jidosoko_robot/pdf/007_09_00.pdf

■専用保険の全体像は?
出典:経済産業省公式サイト/東京海上日動火災保険(※クリックorタップすると拡大できます)

東京海上日動が提供する自動配送ロボット向けの専用保険は、未然の事故防止と事故時の対応、サービス改善提案と、事前から事後までトータルで補償するパッケージプランだ。

事故の未然防止のためには、リスクコンサルティング支援により安心で安全な運行計画の策定を支援し、東京海上ディーアールが開発した保険商品の提供でリスク低減を目指す。同社がこれまで蓄積してきたノウハウや、さらに高度化された従来のリスクソリューションが活用される。


事故時の対応としては、機体の損傷に関する補償や賠償責任・費用損害に関する補償、配送物に関する補償を行う。自動配送ロボットが損壊などで使用できなくなった際の代替品のレンタル費用や、配送物の事故時やご配送の結果、代替品を継搬・急送するための費用を補償するオプションも用意されている。

出典:経済産業省公式サイト/東京海上日動火災保険(※クリックorタップすると拡大できます)

サービス改善提案では、事故やトラブルの予防体制や緊急時対応体制など運用改善提案支援を行う。

東京海上日動は2018年ごろから自動運転関連の保険に取り組み始め、2022年11月には、従来含まれていなかった「自動運転車両開発事業者等」も、被保険者に追加されるという専用特約の提供を開始している。この特約により、事故が発生しても開発事業者間での協力関係が悪化することなく、自動運転業界の技術やサービス導入が停滞しないことが期待されている。

■ワンストップサポートのニーズ

サービス導入を検討する事業者の多くは、自動運転に関する知見が少なく、未知の技術に対する漠然とした不安に駆られがちだ。ただし、事故前から事故後までワンストップでサポートしてくれる保険があれば、安心・信頼感が得られる。


4月から公道走行が可能になる自動配送ロボットが社会に受け入れられるには、保険の安心・信頼感は大きなポイントになる。

【参考】関連記事としては「自動運転関連事業者向けに「専用特約」!東京海上が提供」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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