米運輸省、自動運転研究でミシガン大に300万ドル投入

実証都市「Mcity」で注目集める



出典:ミシガン大学公式サイト

米ミシガン大学は、自動運転のための実証都市「Mcity」を運営するなど、自動運転の研究を積極的に行っていることで知られている。

そのミシガン大学の自動運転車研究センター(Center for Connected and Automated Transportation)=CCAT=が、米運輸省から300万ドル(約4億円)の助成金をこのほど授与されたという。


CCATでは、自動運転車とコネクテッドトランスポーテーションについての研究を行っており、過去にも運輸省から240万ドルの助成金を受け取っている。

■CCAT、自動運転の研究を5年継続

CCATは自動運転に関する研究を6年間行ってきたが、さらに5年継続する予定だという。CCATの研究は、米国の交通渋滞緩和や自動運転車の安全性向上などに多大な影響を与えているようだ。

今回の助成金交付に対し、ミシガン州の上院議員は「安全性と移動性を向上させる画期的な研究を支援し、ミシガン州が次世代の車両開発をリードすることを確実にするだろう」と述べている。

■ミシガン大学といえば「Mcity」

ミシガン大学は、同大学のモビリティー・トランスフォーメーション・センター(MTC)が主体となり、ミシガン州交通局と協力し、自動運転車用の実証都市であるMcityを2015年7月に開設している。


Mcityには信号や交差点、直線道路やカーブなどがあり、路車間通信のテストをするためのさまざまな設備が設けられている。民間各社参加のもと運営しており、フォードやGM、トヨタ、デンソー、ホンダなどがパートナー企業に名を連ねている。

2022年9月には、仮想空間上で実世界のデータセットを具現化し、全米の研究者がそのデータセットにアクセスできるようにするプロジェクト「Mcity 2.0」を開始した。

【参考】関連記事としては「米ミシガン大が「Mcity 2.0」!自動運転試験用に仮想空間」も参照。

■国内の大学でも進む自動運転研究

今回はミシガン大学のニュースだが、日本の大学も自動運転の技術開発などに積極的だ。例えば、名古屋大学や群馬大学、埼玉工業大学、東京大学などが、さまざまな自動運転に関する研究を行なっている。大学発スタートアップも少なくない。

自動運転技術の開発ではアカデミックな研究が非常に役立つこともあり、各国政府が大学の研究リソースをどう技術の実用化・普及に向けて生かしていくかで、その国の自動運転関連事業の進展スピードは大きく変わっていく。

2023年4月には、電気自動車と自動運転の教育や研究に特化した日本初の専門職大学「電動モビリティシステム専門職大学」が、山形県飯豊町で開学予定であることにも注目したい。

【参考】関連記事としては「ミシガン大学の自動運転シティに(Google Earthで)行ってみた」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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