フルサイズの自動運転バス、世界に先駆け英国で運行開始

Fusion Processingの自動運転システム搭載



出典:CAVForth公式サイト

2023年の春、英国スコットランドでフルサイズの自動運転バスが運行を開始する。現地メディアが報じた。

このバスには、英Fusion Processingの次世代自動運転システム「CAVstar」が搭載されており、首都のエディンバラから湾を隔てたダンファームリンまで約19マイル(約30キロメートル)の距離を走行するという。







英国では2022年夏に「CAVForth」と名付けられた第1弾のプロジェクトが行われており、2週間にわたり自動運転バスの「乗客無し」での路上走行テストがスコットランドで実施された。

これから始まるプロジェクトは、走行ルートが5マイル延長された第2弾の「CAVForth 2」となる。

■約16億円が投じられたプロジェクト
出典:CAVForth公式サイト

CAVForth 2は、英国政府の「Centre for Connected and Autonomous Vehicles(CCAV)」やスコットランド交通局、自動運転システムなどを手掛けるFusion Processing、バスメーカーAlexander Dennis、運輸会社のStagecoachなどが共同で出資し、1,040万ポンド(約16億円)の資金が投入されている。

CAVStarは、カメラやレーダー、LiDARとAI(人工知能)技術を組み合わせた自動運転システムで、自動運転レベルは「レベル4」となっている。このシステムが搭載される車両は、Alexander Dennisのゼロ・エミッションEVバス「Enviro100AEV」だ。

また既存のディーゼルバス「Enviro200AV」5台も試験車両となり、1週間に1万人以上の乗客を運ぶことが可能になるようだ。

自動運転バスには、特別なトレーニングを受けたセーフティドライバーが同乗し、システムを監視するという。さらに、乗客をサポートしたり質問に答えたりする「バス・キャプテン」も乗車する。

■2012年設立のFusion Processing

2012年に英国で設立されたFusion Processingは、自動運転車のためのセンシングと制御システムの開発を手掛けている。主力製品はCAVstarのほか、バス・トラック用ミラー交換システムの「CycleEye CMS」などがある。

同社の貢献により、英国の自動運転バスサービスがどう発展していくのか、関心が高まりそうだ。

▼Fusion Processing公式サイト
https://www.fusionproc.com/

【参考】関連記事としては「レンタカーが自動運転で自宅に届く!イギリスで実証中」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)









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