自動運転時代、消える「バス」「電車」

特に地方では無人タクシーに置き換わる



自動運転車をホンダが2021年3月に発売し、海外では自動運転タクシーが有料サービスをすでに展開している。つまり「自動運転時代」はすでに始まりつつあり、今後は少しずつ技術のレベルが上がり、サービスの普及も広がっていく。


本格的な自動運転時代が到来すると、ある変化が起きるかもしれない。それは「バス」や「電車」といった、多くの人数を一度に輸送できる公共交通機関が少なくなっていくことだ。地域によってはゼロになるかもしれない。

【参考】関連記事としては「「自動運転時代、年間500億円の反則金がゼロに」」も参照。

■運賃は1/13になる!?

バスや電車がなくなる可能性があるのは、自動運転タクシーの「運賃の安さ」と「利便性の高さ」が好評を得るようになるからだ。

自動運転タクシーの場合、運転手という人的コストがかからなくなることから、運賃が限りなく安くなると言われている。米投資調査会社のARK Investmentの調べでは、運賃は1/13になる可能性があるという。


「1,300円かかる区間が100円で移動できたら……」と想像してみてほしい。ここまで安い運賃で好きな場所から好きな場所へ移動できれば、電車よりもバスよりも自動運転タクシーを使いたくなるのではないか。

そして自動運転タクシーはバスともタクシーとも異なり、完全24時間365日営業だ。前述の通り、運転手に代わってAIが運転してくれるからだ。夜間や年末年始などでも無人タクシーは通常通りの営業を行う。とても便利だ。

■特に地方では完全にゼロに?

完全にバスや電車がゼロになるとは思わない。無人シャトルといった形で活躍し続けるだろうし、車両が増えると渋滞が起きやすい都心では、タクシー車両よりもバスや電車が利用され続けるだろう。

しかし地方都市や農村部ではそもそも車両が増えても渋滞せず、地方のバス会社なども赤字で苦しんでいるため、全ての公共交通が無人タクシーに置き換わる可能性は十分にある。


あなたはこうした未来を想像したことがあるだろうか。自動運転時代には、バスや電車が消えていく…。十分に起こりえる未来だ。

【参考】関連記事としては「自動運転車が普及すると「車庫」が無くなる!」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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