日本最大級のMaaSアプリ、トヨタが開発!導入拡大中

熊本でも新たに展開、デジタルチケット販売も



出典:熊本県MaaS推進交通事業者連絡会プレスリリース

熊本県MaaS推進交通事業者連絡会は、熊本県内において2023年1月28日から、トヨタが開発しているMaaSアプリ「my route」を使った、新たなMaaSサービスをスタートすることを発表した。

同サービスを通して、熊本県内各地域への周遊促進や地域交通の利便性の向上、交通課題の解決に取り組んでいくという。


このmy route、全国各地で実証実験や実サービスで導入が進んでおり、MaaS関連のトピックスとして要注目だ。

■my route導入で4つのサービスを提供

今回のmy routeの導入により提供が始まるサービスは4つある。

1つ目はマルチモーダルルート検索で、熊本県内のあらゆる移動手段がつなぐことにより、最適な移動経路を提案する。現在地から目的地までの検索から予約、決済までをスムーズに行える。新幹線やバス、タクシー、飛行機、カーシェア、レンタカーなどの予約サイトへもシームレスに移動できるようだ。

2つ目は特集記事・スポット情報との連携で、熊本県内の観光情報や見どころ紹介、イベント情報など、新しい情報を随時発信することで、県民や県を訪れる人の行動を促す。3つ目はお出かけメモ機能の搭載で、「行ってみたい」と思った場所やイベントをmy route内にメモすることで、「行きたい」を見える化する機能だ。ぐるなびの情報もワンクリックで取り込めるという。


4つ目はデジタルチケットの販売だ。地域経済活性化のために、観光客はもちろん、県民にも利用してもらえるよう、乗車券や観光施設の入場券、交通事業者や観光・商業施設と連携した企画チケットを購入できる。既存販売している乗車券の5つのデジタルチケットが、1月28日から販売開始されたが、3月中旬以降には企画チケットも追加で販売予定だという。

■国内最大級のMaaSアプリに成長
出典:my route公式サイト

my routeは、トヨタ自動車とトヨタファイナンシャルサービスが手がけるマルチモーダルモビリティサービスだ。多様な交通手段を組み合わせたルート検索をはじめ、交通手段の予約や決済がワンストップで行うことができる。

さらに、エリア内の飲食店や観光スポット情報も閲覧可能だ。一部では、現在の走行地点やサイクルポートの満空情報などのリアルタイム情報の提供や、移動や施設で使えるデジタルチケットにも対応している。

my routeは2018年11月に福岡県福岡市で初めての実証実験をスタートさせた後、2019年11月に同県が先駆けて本格サービスを展開し始めた。その後さまざまな地域で採用されている。最新の情報によると、横浜や富山、愛知、北九州、福岡、糸島、佐賀、長崎、由布院、宮崎・日南、沖縄、九州の12エリアでサービスを展開しており、国内最大級のアプリに成長している。


▼my route マイルート |「行きたい」をつなげる「おで活」アプリ
https://top.myroute.fun/

■今後どれだけエリアを拡大するか注目

現在さまざまなMaaSアプリが全国で開発・実用化されているものの、多都市で展開しているMaaSアプリはまだまだ少ない。トヨタのmy routeが今後どれだけエリアを拡大していくのか注目だ。

【参考】関連記事としては「MaaSとは?(2023年最新版)」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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