米GM傘下で自動運転開発を手掛けるCruiseが、米アリゾナ州フェニックスと米テキサス州オースティンでも自動運転タクシーを2022年内にスタートすることを目指しているようだ。報道によれば、同社CEO(最高経営責任者)のKyle Vogt氏が語ったという。
フェニックスといえば、自動運転タクシーで先行しているGoogle系Waymoがサービス展開しているエリアでもある。あえてサービスエリアを重ね、自社の技術力の高さを証明しようとしているのだろうか。
Cruiseは新たな2都市での展開により、2025年までに10億ドル(約1,400億円)の収益獲得を期待している。Vogt氏が米金融大手ゴールドマン・サックス主催のカンファレンスで、出席者に語ったようだ。
すでにフェニックスで米小売大手のWalmartと自動運転による配送サービスの実証を行なっており、同市での自動運転車の使用許可を得ているようだ。
■現在はサンフランシスコで展開
Cruiseは2022年2月にサンフランシスコで初の自動運転タクシーサービス展開を開始した。当初は無料でのサービス提供だったが、6月にカリフォルニア州公益事業委員会の認可を得て、有料サービスを開始している。
サンフランシスコでのサービス展開においては、シボレー・ボルトEV(電気自動車)を含む約70台のドライバーレスカーを使用している。2022年末までに、車両数を2〜3倍まで増やす計画もあるようだ。
ただし、Cruiseは2022年6月初旬に起こした交通事故により、自動運転タクシー80台のソフトウェアをリコールしている。7月中に新しいバージョンに変更されたようだが、他にもトラブルが続々と起きている。
【参考】関連記事としては「事故でリコール!GM Cruiseの自動運転ソフト、トラブル続き」も参照。
今後新たに展開する2都市でもトラブルが続けば、同社の技術力に対する信頼はさらに落ちることが懸念される。
■チップを独自開発、日本でサービス展開も?
Cruiseに関しては、最近注目のトピックが多い。自動運転用の半導体チップを独自開発したことも今月明らかになった。
独自チップにより車両製造のコストを下げ、消費電力を抑えて自動運転EVの航続距離を伸ばす狙いがあるようだ。自動運転シャトル「Origin」にも新チップが搭載されるという。
2023年にドバイでの自動運転タクシーサービスのスタートも予定されているCruise。ホンダとパートナーシップを締結していることから、日本市場でのサービス展開も予測されている。
▼Cruise公式サイト
https://getcruise.com/
【参考】関連記事としては「さよならNVIDIA?GM Cruise、自動運転チップを自社開発」も参照。