InnovizのLiDAR、VWの全自動運転車に搭載へ!40億ドルの先行受注

総売上見込みは66億ドルに



InnovizTechnologiesの創業メンバー。中央がCEOのOmer David Keilaf氏=出典:InnovizTechnologies公式サイト

LiDAR開発を手掛けるイスラエル企業Innoviz Technologiesは2022年8月7日までに、同社製品がフォルクスワーゲン(VW)グループのブランド内で自動運転機能を持つ全ての車両に供給されることを発表した。

Innovizにとって巨大な売り先を確保したことになり、ほかのLiDARスタートアップは戦々恐々とするであろうビッグニュースだ。


VWから40億ドル(約5,330億円)の先行受注があり、総売上見込みは66億ドル(約8,800億円)にのぼるという。

■InnovizのLiDARは数百ドル

InnovizはVWの自動車用ソフトウェア企業であるCARIADと協力しながら、同社の技術を今後のフォルクスワーゲン車へ統合していくようだ。

報道によると、InnovizのCEO(最高経営責任者)であるOmer David Keilaf氏は、LiDAR製造を行う米Velodyne Lidarの製品が数千ドルもするのに対し、Innovizの製品は数百ドルの価格であると主張しているようだ。

ちなみにInnovizは2022年4月には、BMWが2023年のBMW i7電気自動車にInnovizのLiDARを搭載することを明らかにしている。


■Innovizってどんな企業?

Innovizはイスラエルのテルアビブに本拠地を持つ。イスラエル国防軍(IDF)やSTマイクロエレクトロニクスなどでエンジニア経験を持つOmar David Keilaf氏らによって2016年に設立された。

これまでカナダのマグナや米アプティブなどの自動車部品メーカー大手や日本のソフトバンクグループ、韓国のサムスンなどから出資を受け、2021年4月にナスダックにSPAC上場している。

2022年1月には、自動運転レベル3とレベル4に対応した次世代LiDAR「InnovizTwo」を発表している。高い解像度と最大300メートルの範囲を検出する強みがありながら、低コスト化を実現した。10〜12月には建設や物流業界向けの車載用次世代高性能360度LiDAR「Innoviz360」を発表予定だという。

InnovizはLiDARに特化した企業の中で、Velodyne Lidarと米Luminar Technologiesに次ぐトップ3に入るかどうかの知名度を誇る企業だ。今回のフォルクスワーゲングループとの契約により同社の存在感は一段と高まることは確実だ。


▼Innoviz Technologies公式サイト
https://innoviz.tech/

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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