自動運転バス、スマホが「スリープ状態」でも乗車できる技術

Bluetoothでタッチレス認証、PaylessGateが開発



出典:PaylessGateプレスリリース

タッチレス認証技術などを開発するPaylessGateは、東京都の「羽田イノベーションシティ」で2022年4月22〜24日に開催されるイベントで、Bluetooth認証方式によるデジタルゲート認証と決済プラットフォーム「SpeeIDy」を自動運転バスに導入し、乗車受付の実験を行う。

この実験で使用されるSpeeIDyは、自動運転バスの乗車前にアプリをインストールし、専用サイトからチケットを購入すれば、スリープ状態のスマートフォンを持って乗車するだけで受付端末(タブレット)によるデジタル認証ができる技術だ。


スマートフォンやICカードを「取り出す」「かざす」などの手間が省け、ハンズフリーでスムーズな乗車が可能になるという。事業者側にとっては、乗客が受付端末に近づくだけで氏名などが表示され、自動的に本人認証と受付が完了するという利点がある。

PaylessGateは、このSpeeIDyでバス乗車受付に際する業務の効率化や自動運転に向けた省人化、さらにコロナ禍においての非接触のニーズに応えられるソリューションを提供し、今後も複数の領域で社会実装の展開を目指す予定だという。

■ポケットやカバンにスマホが入っていれば・・・

実験では具体的には、自動運転バスの乗車前にPaylessGateのスマートフォンアプリ「SpeeIDy」をインストールし、必要なユーザー情報を入力。その後、専用サイトで自動運転バスチケットの購入を行い、スマートフォンのBluetoothをオンにしてバスに乗車する。

乗車の際は、スマートフォンをかざす必要はなく、ポケットやカバンにスマホが入っていれば受付端末が自動的に認証し、自身の名前が表示されたらタップしてチェックインを行うだけだ。なお降車時も自動認識され、乗車後に認証や決済に関する通知が届く仕組みだ。


■スマホの高い精度の位置認証を応用した技術

2018年6月に設立されたスタートアップ企業であるPaylessGate。デジタルゲート認証と決済プラットフォームSpeeIDyは、スマートフォンの高い精度の位置認証を応用した技術で、同社が開発した世界初の技術だという。

この技術は、今回の自動運転バスの利用以外にも、自動販売機での製品購入やコンビニ決済、電車でのゲート通過、ホテルのチェックインなどにも活用できるよう、今後も開発を進める予定だという。同社への注目度は高まりそうだ。

【参考】関連記事としては「「運賃で二重決済」「通信で300MB」 MaaSアプリに不満感」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)





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