福岡空港で自動運転大型バスの実証実験がスタートした。将来的には、人の関与を前提としない「自動運転レベル4」(高度運転自動化)の水準まで技術レベルを引き上げることを目指すが、今回の実証実験ではまず自動運転レベル2での走行を成功させる。
■「外部のスタートアップ企業」のシステム採用
実証実験を実施するのは、いすゞ自動車と西日本鉄道、三菱商事。実証実験は2022年3月8日〜4月8日に実施され、福岡空港における国内線・国際線連絡バス道路の約1.4キロが実験区間となっている。
3社は報道発表で「運用・サービスに関する課題点を洗い出し、自動運転バス技術を高めながら、将来的な社会実装の実現に向けた検討を進める」としている。
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実証で使用されている大型車両は、定員79人のいすゞ製「エルガ 2RG-LV290Q3」。8つのLiDARや望遠・広角カメラ、ミリ波レーダー、ジャイロセンサ、GNSSアンテナが搭載されており、「外部のスタートアップ企業」が開発した自動運転システムを採用しているという。
ちなみに採用した自動運転システムについては「車両上部に搭載したLiDARで検知したスキャンデータを、3Dマップとマッチングさせて自車位置推定を行い、3Dマップに埋めた走行軌道をなぞり自動走行」と説明されている。
■車体が大型だと一層の慎重さが求められる
大型バスは輸送効率が小型・中型バスにより高い。そして自動運転レベル4が実現できれば運転手も不要になるため、コストを抑えた運用も可能となる。こうした理由から、「レベル4×自動運転」に対する期待感は大きい。
だがその一方で、車体が大型だと事故が起きた際のリスクは小型・中型のトラックよりも大きくなる。そのためレベル4実現に向けては、一層の慎重さが求められる。
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