運転支援ソフト、テスラのFSDよりLucidの方が3,000ドル安い

EV業界、価格競争力で下克上狙う?



出典:Lucid Motors公式サイト

有料の次世代運転機能といえば、将来的に自動運転機能の実装が予定されている米テスラの「FSD(Full Self-Driving)」が知られているが、EVベンチャーの米Lucid Motors(ルーシッド・モーターズ)も「DreamDrive Pro」を展開している。

このFSDとDreamDrive Proの米国内での販売価格(買い切り価格)を比べてみた。テスラのFSDの販売価格は1万2,000ドル(約139万円)、LucidのDreamDrive Proの販売価格は9,000ドル(約104万円)であるため、Lucidの方が3,000ドル安い。


ちなみに、テスラのADAS(先進運転支援システム)「Autopilot」の高機能版がFSDで、LucidのDreamDrive ProもLucidのADAS「DreamDrive」の進化版だ。Pro版では、車間距離制御機能や自動緊急ブレーキ機能、車線逸脱防止機能や交通標識認識機能などが含まれる。

FSDとDreamDrive Proの機能の充実度は単純比較するのは難しいが、EV業界でまだ存在感が小さいLucidは、まず価格競争力で他社にテスラに勝ち、将来的な下克上を狙っているのかもしれない。

■Lucid Motorsはどのような企業?

Lucid Motorsがどのような企業なのか、サマリー的に振り返っておこう。Lucidは、テスラで高級セダン「モデルS」を開発していたピーター・ローリンソン氏によって2007年に設立された企業だ。

設立からしばらくはEVのバッテリーシステムの開発がメイン事業だったが、2016年にEVメーカーとなることを宣言し、2020年にアリゾナ州でEVの生産工場を完成させた。そして2021年、Lucidにとって初めてのEVとなる「Lucid Air」の納入が開始された。


そして2021年7月には米ナスダック市場にSPAC上場した。テスラのように将来的な株価の高騰を期待している株式投資家も少なくない。価格競争力以外でも、EVとしての完成度の高さについて評価する声も多いLucid。今後の動向に注目だ。

出典:Trading View(※クリックorタップすると拡大できます)

▼Lucid Motors公式サイト
https://www.lucidmotors.com/

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)





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