自動運転トラックの開発で知られる米Embark Trucksは2022年1月17日までに、トラックが雪道でも自動走行できる技術の開発・展開に向けたロードマップを発表した。
報道発表によれば、同社が現在特許出願中の「Vision Map Fusion」(VMF)という技術を活用すれば、降雪で変化した道路でも安全に自動走行することが可能になるという。2022年冬までに技術を確立し、公開デモンストレーションを行う予定のようだ。
■VMFで実証実験を繰り返し、安全走行の精度を向上
2016年設立のEmbark Trucksは、米カリフォルニア州サンフランシスコに本社を置くスタートアップ企業だ。多くの企業が乗用車の自動運転技術開発を進める中で、同社は人手不足の続く長距離商用トラックの自動運転技術に焦点を絞り、開発を行ってきた。
そんなEmbark Trucksは2024年にも自動運転トラックの大規模な商業展開を行うことを目指しているが、そのためには雪道での安全な自動走行技術の確立が不可欠となっている。
冒頭触れたVMFという技術は、高精度3Dマップに依存する従来型の自動運転ソフトウェアとは一線を画すという。従来型のソフトウェアでは、実際の道路の状況とマップデータの道路情報が一致することが必要だからだという。
その点、VMFを使えば、冬の道路状況の変化にも柔軟に対応できるようだ。その詳しい仕組みが気になるところだが、今後実証実験を繰り返し、安全走行の精度を高めるとしている。
■他社との開発競争を優位に進めていけるか注目
自動運転トラック開発では、PlusやKodiak Robotics、TuSimpleなどの米国勢や中国勢も存在感を高めている。Embark Trucksが雪道での自動運転技術を早期に確立し、他社との開発競争を優位に進めていけるか、注目だ。
▼Embark Trucks公式サイト
https://embarktrucks.com/
【参考】関連記事としては「中国系TuSimple、公道で自動運転トラックの「完全無人」運用に成功」も参照。