いま勢いに乗っている韓国の新興企業がある。 自動運転技術を開発する「42dot」というスタートアップだ。
事業の初期段階の「シリーズA」の資金調達としては韓国で最大規模となる1,040億ウォン(約99億円)を集め、2021年12月から自動運転タクシーサービスをソウル市内の一部エリアでスタートする。
韓国の自動運転スタートアップとしては、RideFlux(ライドフラックス)などが挙げられるが、42dotに対する注目度が今後急速に高まりそうだ。
▼42dot公式サイト
https://42dot.ai/
■「aTaaS」を掲げて技術開発
42dotは2019年に設立された。創業者は、韓国の大手ネット企業ネイバー(NAVER)出身のソン・チャンヒョン氏。現在は自動運転用のソフトウェアとハードウェアのキットなどを開発しており、2023年の商用化を目指している。
今回の資金調達では、韓国の大手企業のCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)などが参加し、例えばロッテの「ロッテベンチャーズ」も投資を行っている。
42dotに関してはソフトウェアとハードウェアのキットを開発している点だけではなく、「aTaaS」という概念を掲げていることも特筆すべき点だ。
aTaaSとは「autonomousTransportation-as-a-Service」の頭文字をつなげた言葉で、直訳すると「サービスとしての自動運転交通」、すなわち、全ての交通機関を自動運転化してしまおうという構想だ。
■頭角を現す韓国の新興ベンチャー
12月から展開する自動運転タクシーサービスに関しては、すでに当局から限定的な運行許可を得ており、韓国第2位の自動車メーカーである起亜自動車のEV(電気自動車)を使用し、実際に乗客から運賃をとって運行されるようだ。
韓国で頭角を現してきた注目のスタートアップによる取り組みに、注目が集まりそうだ。
【参考】関連記事としては「韓国ソウル市長「世界TOP5の自動運転都市に」 2030年ビジョンを発表」も参照。