スマートバス停の実証実験プロジェクトが、全国6カ所で始まった。IoTソリューションなどを手掛けるYE DIGITALと西鉄グループの西鉄エム・テックが、2021年12月1日までに発表した。
現在、コロナ禍の影響でバスの運行スケジュールが頻繁に変わるため、時刻表の張り替え業務の作業量が増えている。スマートバス停を導入すれば、貼り替える手間が削減できる。このことが今回の実証実験の最大の目的だ。
実証実験で用いられるスマートバス停は「乾電池駆動」のモデルで、電源やネットワークが普及していない地域でも設置可能となっている。日本の路線バスのバス停では約80%が電源供給ができないが、乾電池駆動なら問題ない。
■QRコードを使ったビジネスモデルの検証も
スマートバス停のディスプレイには、13.3インチの電子ペーパーが採用される。このことにより、視認性の向上と省エネ効果が期待できるという。
スマートバス停では時刻表の表示・切り替えだけではなく、QRコードを使ったコンテンツの提供も試され、QRコードサイトと連携したビジネスモデルの検証も行われるという。
スマートバス停の設置期間は2021年12月1日から3カ月程度を予定している。実証に参加するバス事業者や自治体、スマートバス停が設置される場所は以下の通りだ。
- 伊予鉄バス:「松山市駅20番乗り場」停留所(四国地区)
- 大分交通:「杵築インター」停留所(九州地区)
- 成田空港交通:「さくらの山」停留所(関東地区)
- 阪急バス:「岡上の町二丁目」停留所(関西地区)
- 松戸新京成バス:松戸営業所内(関東地区)
- みやま市(九州地区):「ルフラン」停留所(九州地区)
■スマートバス停の利用方法はさまざま
スマートバス停はさまざまな可能性を秘めている。例えばバスの遅延情報をリアルタイムに表示したり、悪天候でバスの運行が停止された場合はその旨を表示したり……。そのほか、周辺地域の飲食店のクーポンをQRコードなどを通じて提供することも可能になる。
その地域の観光センターと映像通話ができるようになれば、観光地などでは観光客の心強い味方となりそうだ。スマートバス停の実験が盛んになり、さらに利用の幅が広がることに期待したい。
【参考】関連記事としては「全国初!自動運転バスとスマートバス停が連携 福岡県みやま市で実証開始へ」も参照。