フランスの自動車部品メーカーであるValeo(ヴァレオ)は2021年11月30日までに、新世代のLiDAR「第3世代スキャンニングLiDAR」を発表した。2024年に販売予定だという。
大幅に性能が向上したLiDARにより、同社は自律的なモビリティの実現と道路・交通の安全性の向上に貢献していきたい考えだ。
■毎秒25フレームで3Dリアルタイム画像生成
Valeoが開発した第3世代スキャンニングLiDARは、毎秒25フレームの速度で車両周辺の3Dリアルタイム画像を生成し、各オブジェクトを認識・分類する。動くオブジェクトの場合には速度や方向も測定するという。
どんな時間帯や天候下でもLiDARの機能は正常に働き、雨天時には雨滴(うてき)の密度を測定し、適切な制動距離を計算してくれるという。ちなみに従来のLiDARと比較すると、解像度は12倍、検知範囲は3倍、視野角は2.5倍に拡大したようだ。
さらに独自の知覚機能により、「カメラやレーダーでは見ることができないもの」を捉えることができるようだ。詳細は不明だが、興味をそそる一文だ。
■スキャンニングLiDARを15万台以上生産
ValeoのスキャンニングLiDARはドイツのバイエルン州にある工場で製造されており、約300人のエンジニアが、光学や力学、光工学の最先端技術に専念し、ミクロンレベルの精度で部品が組み立てられているという。
Valeoによれば、同社は工業規模でスキャンニングLiDARの製造を行った初のメーカーであり、これまでスキャンニングLiDARを15万台以上生産しているようだ。
乗用車だけでなく、シャトルバスやタクシー、配送ロボット、トラック、農機、鉱山機械、建機など、さまざまな車両の自動運転化に関する技術が開発される中、LiDARの需要はさらに高まっていく。
2030年までに500億ドル以上と予測されるLiDAR市場において、ValeoのLiDARが今後市場でどれくらいのシェアを獲得していくのか、注目したい。
【参考】関連記事としては「「魚眼カメラ」で自動運転技術が進化!仏ヴァレオ、新データセット公開」も参照。