「魚眼カメラ」で自動運転技術が進化!仏ヴァレオ、新データセット公開

意外な組み合わせが研究を後押し



出典:Valeoプレスリリース

フランスの自動車部品メーカーであるValeo(ヴァレオ)が、少しユニークな取り組みを始めた。「魚眼カメラ」によるデータセットを使い、自動運転と駐車のためのコンピュータービジョンの研究のレベルを引き上げるというのだ。

■サラウンドビュー魚眼カメラを活用

この魚眼カメラのデータセットは「WoodScape」を名付けられ、オープンソースのデータセットとして公開された。報道発表によればこのWoodScapeは、自動車に搭載した「サラウンドビュー魚眼カメラ」でキャプチャして1万以上の画像で構成される。


報道発表では「(今現在)狭視野カメラからのデータセットでは利用できるものはあります」と説明しつつ。「公開の広範なマルチタスク・サラウンドビュー魚眼カメラデータセットはありません」としている。

ではどのように魚眼カメラでキャプチャした画像が役に立つのか。Valeoは以下のように説明している。正確性を期すため、そのまま説明文を引用する。

「自動運転の研究における最も大きな課題の1つは、知覚システムが車両の周囲の物体を分類できるように、完全にラベル付けされ、人間が注釈を付けた十分な関連データを取得することです。 WoodScapeは、この課題への対処に役立ちます」(出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000121.000004446.html

■意外な組み合わせが技術の進化を後押し

自動運転技術の研究・開発に魚眼レンズが役立つとは、普通はあまり思い浮かばないかもしれない。しかし、意外な組み合わせが一気に技術の進化を後押しすることがある。


車載規格のLiDARや超音波センサーなどの開発・製造に加え、独自で自動運転の実証実験も積極的に行っているValeo。さまざまなアイデアから同社どう今後自動運転にアプローチしていくのか、引き続き注目したい。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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