EV(電気自動車)大手の米テスラがレンタカー大手の米Hertz(ハーツ)から2022年末までに10万台を受注するとのニュースを受け、テスラの株が暴騰したことは周知の通りだ。時価総額は2021年10月25日に1兆ドル(約114兆円)を突破した。
このテスラとHertzのニュースから想起されるのは、日本のレンタカー会社でもテスラを導入する企業が出てくる可能性だ。その場合は日本でも大きな話題になりそうだ。
もし日本でテスラを導入するレンタカー会社があるとすれば、当然、自動車メーカー系のレンタカー会社ではなく、独立系レンタカー会社だろう。すなわち、ニッポンレンタカーやオリックスレンタカー、タイムズカーレンタル、ニコニコレンタカーなどだ。
■FSDのOTAで自動運転機能も利用可能に?
また、テスラは自動運転化を目指すソフトウェア「FSD」のアップデートを続けており、もし日本のレンタカー会社に納車される車両にFSDが搭載されるとすれば、日本でもテスラの自動運転機能を使えるようになるかもしれない。
もちろんその場合、日本のルールに則った自動運転技術を開発する必要があり、FSDを搭載したとしても自動運転機能が使えるまでになるには時間がかかると思われるが、テスラのFSDはOTA(Over the Air)による無線アップデートが可能なため、レンタカー会社に車両を納品したあとでも徐々に機能を高めていくことができる。
市販車の自動運転車両は当面高額であることが予想され、購入するにはハードルが高い状態がしばらく続くと思われるが、レンタカーで試せるなら一度試してみたいという人も多いのではないだろうか。こうした視点でも、人気が出るかもしれない。
■ブランド力は抜群、導入の効果は大きい?
いまテスラのブランド力は抜群だ。ブランド力が高い車両がレンタルできれば、そのレンタカー会社の人気が高まる可能性がある。そのため、日本の独立系レンタカー会社がテスラを導入するというのは、十分に可能性があることだろう。
近い将来、日本でもテスラのレンタカーが導入される日は来るのだろうか。今後の展開に注目したいところだ。
■ハーツ暫定CEO「競争力の優位性をもたらす」と確信
ちなみに参考までに、テスラとハーツのニュースについても、中身を振り返っておこう。ハーツの今回の発注により、同社が全世界で保有している車両のうち、EVの車両が2割を超えることになるという。
ハーツがテスラに注文したモデルは、セダンの中で最も安価なモデル3の車両がメインで、2021年11月からハーツの店舗でレンタルできるようになるようだ。モデル3の利用者は、ハーツが自社ネットワーク全体に設置する数千台の充電器だけでなく、アメリカや欧州のテスラの急速充電拠点約3,000カ所も利用できるようだ。
ハーツのマーク・フィールズ暫定CEOは「競争力の優位性をもたらすと強く確信している」と強調している。
【参考】関連記事としては「イーロンマスク50歳、テスラCEO14年目に 「完全自動運転」もいよいよ?」も参照。