英ハイテク企業e-Noviaの子会社Yapeが開発した二輪型自律配送ロボット「Yape」が、スウェーデンの首都ストックホルムの公道で実験的に活躍中だ。オンラインフード注文配達事業者「Foodora」と連携し、さまざまな食品や料理を注文者のもとへと運んでいる。
YAPEの独占取扱権を有する日本企業DroneFutureAviationの報道発表によれば、Yapeは通信事業者「Tele2」と提携したことで5Gネットワークに接続することが可能で、本体に搭載されているカメラの映像をリアルタイムに遠隔地から確認することも可能なようだ。
Yapeの最大積載量は20キロで、最高時速6キロで走行する性能を有している。報道発表では、今回の実証実験を成功させ、スウェーデン運輸局に対してYapeの安全性などをアピールしていきたい考えのようだ。
スウェーデン運輸局から「お墨付き」をもらい、いずれストックホルムの公道で多数のYapeが活躍すれば、物流業界の人手不足などの課題の解決や感染症対策に寄与することになりそうだ
ちなみにYapeは4時間の充電で8時間走行することができ、実証実験は注文者から配送料を受け取らない形で実施されている。
■日本、自動配送ロボットの公道走行解禁へ
自動配送ロボットを公道で走行させる取り組みが、世界的に盛り上がりをみせている。EC(電子商取引)サイトの利用者が年々増え、物流業界の人手不足が深刻化しているからだ。コロナ禍が始まってからは「コンタクトレス」という観点でも注目を集めている。
日本においても2021年度中に、人による遠隔監視などを条件として、自動配送ロボットの公道走行が認められる見込みとなっている。こうした中、実証実験も活発に実施されている。
2020年10月には、日本郵便が全国で初めて物流分野での配送ロボットの活用に向けた公道走行実証実験を行った。その際には自動運転ベンチャーのZMPの無人宅配ロボ「DeliRo(デリロ)」が使用された。
楽天もパナソニック製の自動配送ロボットを活用し、神奈川県横須賀市の公道で西友とともに無人配送実証を行っている。報道発表では「自動配送ロボットが公道を走行してスーパーの商品を地域住民に配送するのは、国内初」とされている。
日本の自動配送ロボットはすでに技術的には実用レベルに達しており、新型コロナウィルスの感染拡大で非接触サービスの需要が高まる中、法整備が完了すれば一気に導入が各地で始まる可能性もありそうだ。
【参考】関連記事としては「重たい米もOK!楽天&西友、パナ製自動配送ロボで国内初サービス」も参照。