報道によると、ライドシェア大手の米Uber Technologiesが「空飛ぶタクシー」の開発部門を売却する交渉を進めているという。米ネットメディアのアクシオスが報じた。
トヨタ自動車などが出資する小型航空機メーカーの米Joby Aviationと売却について協議中だとされており、2020年12月下旬にも売却を発表する可能性があるようだ。Uberは空飛ぶタクシーの自社開発から手を引くことになるのだろうか。
■Joby Aviationとはどんな企業?
Joby Aviationは2009年に設立されたスタートアップで、カリフォルニア州サンタクルーズに本社を置く。eVTOL(電動垂直離着陸機)の開発を手掛け、将来は空飛ぶタクシーサービスの提供を目指している企業だ。
Joby Aviationは2020年1月、eVTOLの開発・生産で協業するとして、日本のトヨタ自動車から3億9400万ドル(約410億円)の出資を受けている。
一方のUberは空飛ぶタクシーの2023年の商用化を目指し、2018年には垂直離陸が可能で高度約300~600メートルまで浮上できるコンセプト機を発表していた。ただ新型コロナウイルスの影響で経営状況が悪化し、プロジェクトの継続が困難だと判断したようだ。
ちなみにUberについては、自動運転開発部門「Advanced Technologies Group(ATG)」を自動運転スタートアップの米Auroraに売却することもすでに発表されている。
■いずれは外部の企業から技術を調達?
新型コロナウイルスの影響もあり、ライドシェア事業の採算が悪化しているUber。同社はすでに上場していることもあり、不採算部門に対する株主からの圧力は少ないことが予想され、今後さらに「選択と集中」を進めていく可能性がある。
ただ、移動に関するサービスはUberの屋台骨とも言え、そう考えると自動運転技術も空の移動技術も、いずれは外部の企業から技術の提供を受けるものと考えられる。
【参考】関連記事としては「Uber、自動運転技術の自社開発を断念!?技術開発部門の売却へ交渉」も参照。