自動運転技術の開発に積極的に取り組んでいたライドシェア大手の米Uberだが、トラブルが多かった自動運転開発部門「Advanced Technologies Group(ATG)」を、ライバル企業のAurora Innovationに売却することで交渉しているようだ。
米メディアが2020年11月30日までに報じた。報道によると、交渉は2020年10月から行われているようだ。
Aurora Innovationは、グーグルとテスラ、Uberで自動運転開発に携わっていた3人によって2016年に設立された自動運転開発スタートアップだ。現在はサンフランシスコ、ピッツバーグ、テキサス、モンタナ州ボーズマンに事業所を展開し、600人の従業員を抱えている。
■Uberの自動運転開発は思うように進まなかった
Uberの自動運転開発は、カーネギーメロン大学のNational Robotics Centerとの戦略的提携を発表した2015年に本格的に始まったと言われる。
報道などによれば、2022年までに運転手なしの自動運転タクシーを展開する計画を立てていたが、自動運転技術を巡るWaymoとの訴訟や自動運転車による死亡事故などがあり、計画通りに進まなかったという。
ATGは現在、従業員1,200人を超えており、ピッツバーグやサンフランシスコなどにも拠点を構えている。そんな中で人件費や研究開発費もかさんでいるとみられ、Uberは既に上場していることもあり、コスト部門を切り離す考えなのかもしれない。
■将来Uberとの大きな契約を獲得するのはどの企業!?
ただ、Uberが自動運転部門を他社に売却したとしても、Uberが将来的に自動運転技術を自社事業で活用しないというわけではない、と考えられる。ライドシェアサービスや配達サービスなどはいずれ自動運転技術で大きな省人化につながると考えられているからだ。
であれば自動運転開発に関わる企業は、今後Uberという企業に対して、見方を改める必要があるだろう。今までは技術開発のライバルだったが、これからは自動運転技術を大量に購入してくれる「超重要顧客」と見るべきだ。
将来的にUberとの大きな契約を獲得するのはどの企業か、気になるところだ。
【参考】関連記事としては「自動運転向け地図の更新性維持へ、TomTomとUberが連携強化!」も参照。