羽田空港における新型コロナウイルスの感染防止策として、WHILL株式会社(本社:神奈川県横浜市/代表取締役:杉江理)が開発する車椅子型の自動運転パーソナルモビリティが第1ターミナル内で導入されることが、2020年6月10日までに発表された。
空港における人搬送用途での自動運転パーソナルモビリティの実用化は、今回の導入が世界初だという。自動運転パーソナルモビリティは長距離の歩行に不安を感じる人に提供される。
自動運転パーソナルモビリティを使うことで、移動したい人と介助スタッフなどが接近するシーンを無くし、人同士の感染防止につながるという。
導入されるのはWHILL社の「WHILL自動運転システム」という自動運転パーソナルモビリティ。人を自動運転モードで目的地に運んだあとは無人運転で専用ステーションまで戻る。
同社は2019年以降、日本のほかアメリカやアラブ、カナダの空港で同システムの実証実験を進め、技術の精度やユーザビリティなどを向上させてきた。トータル11回の実験で約400人の顧客と空港関係者がWHILL自動運転システムを利用したという。
■「自動運転」でコロナに立ち向かう
新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大によって、自動運転技術の有用性への関心はより高まった。
中国ではいち早く自動運転や自律走行技術を使った消毒システムが導入され、自動運転車による医薬品の配送も行われた。アメリカでも同様の取り組みが行われ、最近では日本国内で開発されている自律走行ロボットも消毒機能を搭載するようになっている。
新型コロナウイルスが完全に終息するまではまだ時間がかかると考えられている。そんなWithコロナの世界では、自動運転を活用した取り組みがどんどん進むことが予想される。WHILLの自動運転パーソナルモビリティの実用化もそうした取り組みの一つだ。
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【参考】関連記事としては「自動運転電動車イスの有人走行、WHILLやJALが羽田空港で実証」も参照。