民間調査会社の株式会社矢野経済研究所(本社:東京都中野区/代表取締役社長:水越 孝)は2020年4月6日までに、車載用半導体の世界市場に関する予測を発表した。
発表によれば、2030年における車載用半導体の世界市場は586億1000万ドルまで拡大するという。2018年の世界市場については310億9000万ドルとしていることから、2030年は2018年比で88.5%増になるという見通しだ。
同社は2030年にこれだけ市場規模が拡大する理由について、「ADAS/AD」「xEV」「コネクテッドカー」の3分野が需要をけん引することを挙げている。
ADASは「先進運転支援システム」の略語、ADは「自動運転」の略語だ。世界の自動車メーカーは現在この両方の技術の向上を競い合っており、今後は新車販売における自動運転車の割合が徐々に増えていくことが考えられる。そして自動運転車には従来の自動車よりも多くの車載用半導体が搭載されていくのだ。
■有望市場、参入企業相次ぐように
矢野経済研究所はこれまでにも自動運転関連の市場調査データを発表している。2019年5月には、ADASか自動運転システムを搭載した自動車の台数が、2030年には2018年比で約3.5倍の約8390万台に達するという予測を発表した。これは全世界における数字だ。
2019年11月には、注目市場である中国のADASと自動運転用センサー市場についても発表している。発表によれば、2019年時点における中国でのADAS・自動運転用センサー市場は2529億円規模で、2030年には約7.2倍の1兆8371億円規模まで成長すると考えられている。
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