自動運転タクシーの商用サービス化を世界初で実現したのは、Google系Waymo(ウェイモ)だ。2018年12月にサービスをスタートさせ、2019年にはセーフティドライバーすら乗せない形での運用を一部で開始した。
どの企業が展開する自動運転タクシーが将来大きなシェアを獲得するかはまた別な話ではあるが、「一番乗り」を目指すレースだという視点で考えれば、既存の自動車業界が遅れを取った形と言える。そして次はトラックメーカーや物流業界もGoogle系ウェイモに「世界初」を許してしまうかもしれない。
■2州をまたぐルートでの実証実験をスタート
ウェイモは2020年1月24日までに、既に実証実験に取り組んでいる「自動運転トラック」の実証実験を拡大することを公式にアナウンスした。その内容は、アメリカのテキサス州とニューメキシコ州をまたぐルートで自動運転トラックを走行させるというものだ。
This week, we’ll start driving our Chrysler Pacificas and long-haul trucks in Texas and New Mexico. These are interesting and promising commercial routes, and we’ll be using our vehicles to explore how the Waymo Driver might be able to create new transportation solutions. pic.twitter.com/uDqKDrGR9b
— Waymo (@Waymo) January 23, 2020
アメリカ国内においてもトラック運転手の人材不足が大きな課題となっており、ウェイモはこの自動運転トラックで人材不足の課題の解消につなげたい考えを示している。
もしウェイモが今後、料金を徴収して荷物の配送を請け負う商用サービスをスタートさせれば、自動運転タクシーに続いて「自動運転トラック」でも世界初となる。
現在、トラックメーカーも自動運転開発企業と組んで実証実験を続けているが、こうした実証実験の拡大具合を鑑みると、野球で言えば既に「マジック」が点灯した程度にウェイモの一番乗りが近づいている印象だ。
■トラックメーカーも協業や実証の動きが活発化
ただ、トラックメーカーの動きも以前にも増して目立ち始めていることも事実だ。ボルボグループは米半導体大手のNVIDIAと自動運転トラックを共同開発しているし、ダイムラーも量産化に向けた取り組みを進めている。UDトラックスや日野自動車も実証実験に取り組んでいる。
自動運転トラックの商用化の「世界初」の称号は、IT企業が獲得するのか、トラックメーカーや物流企業が獲得するのか…。今後も実証の取り組みに注目だ。
【参考】関連記事としては「米物流大手UPS、自動運転トラック開発のユニコーンTuSimpleへ出資」も参照。