台湾における半導体業界のパイオニアとして知られる「工業技術研究院」(ITRI)が、自動運転技術を搭載したEV(電気自動車)バスの開発・製造に乗り出す計画が、2020年1月1日までに明らかになった。
ITRIは台湾の政府系開発機関で、多くの優秀な技術者を輩出したことで知られる。自動運転EVバスの開発・製造は、自動車の電子部品やツールの開発企業であるモビールトロン・エレクトロニックス(モビールトロン・エレクトロニックス)社とパートナーシップを組み、進めていく方針のようだ。
報道によると、ITRIは今回のパートナーシップについて、台湾国内における官民の自動運転関連の合同プロジェクトとしては過去最大のスキームとなるものだと説明している。Mobiletron Electronicsは2020年初頭にも新たに開発拠点を開設する見込みで、この拠点で製造が進められる可能性が大きい。
■自動運転領域で2020年は台湾が目立つ存在に?
自動運転領域で台湾にスポットライトが当たることは決しては多いとは言えないが、欧米や中国、日本などと同様に技術開発に力を入れている企業は少なくない。
例えばVIA Technologies(ビア・テクノロジーズ)社は自動運転やADAS(先進運転支援システム)向けの技術開発を進めており、2019年5月の開催された技術見本市ではスマートフォンを使った運転支援アプリの公開デモを実施し、注目を集めた。
Apple Watchの組立・製造を受託するQuanta Computer(クアンタ・コンピュータ)も、Appleの自動運転技術の開発を支援しているという噂がある。同社は自動運転OS(基本ソフト)を開発する日本のティアフォーと資本業務提携を結んでいることでも知られる。
東アジアでは日本や中国や韓国における関連ニュースが報じられがちだが、2020年は台湾も注目国の一つとなるかもしれない。
【参考】関連記事としては「スマホで自動運転レベル2!台湾VIA Technologiesがデモ披露」も参照。