
組み込みエンジニアは、未経験からでもなれるのか。専門性が高そうで、30代からでは遅いのではないか、と不安に思う人は多い。
結論から言うと、準備をすれば未経験からでも目指せる。ただし、年代や進め方で難易度が変わる。
本記事では、未経験から組み込みエンジニアになる手順、必要なスキルと資格、20代・30代の違い、求人の探し方をまとめた。
未経験の入り口の1つとして、研修を用意するパーソルクロステクノロジーの求人も紹介する。
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記事の目次
組み込みエンジニアは未経験でもなれる?
未経験からでも、組み込みエンジニアになれる可能性は十分にある。まずは結論と、その理由を整理する。
結論:準備をすれば未経験でもなれる
組み込みエンジニアは、家電や自動車などの機器に搭載する、制御ソフトを開発する職種だ。専門性は高いが、基礎を学べば未経験からの転職は可能とされる。
C言語の基礎と、学習の実績を示せるかどうかが、採用の分かれ目になる。何も準備せずに応募しても、採用は難しい。
未経験でも採用される理由
未経験でも採用されやすい背景には、人手不足がある。IoTの普及や機器の高機能化で、組み込みの需要が高まったためだ。
組み込みエンジニアの有効求人倍率は約5.88と、全体の水準を大きく上回る。求人の半数近くが未経験可という。企業が人材を自社で育てる前提で、募集していることが多い。
未経験からなれない人の特徴
次のような場合は、採用されにくい。
- 基礎学習を始めておらず、学習の実績が示せない
- 応募企業を絞りすぎて、応募数が少ない
- 未経験歓迎の求人の中身を確かめずに応募する
自動運転を含む車載分野の需要は伸びている。詳しい推移は「自動運転の求人が17か月連続で増えた背景」で紹介している。
組み込みエンジニアの仕事内容と、未経験でも始めやすい理由
仕事の中身を知っておくと、自分に合うかを判断しやすい。仕事内容と、未経験の入り口になりやすい工程を整理する。
仕事内容:機器を動かす制御ソフトの開発
組み込みエンジニアは、機器に搭載されるマイコンの制御ソフトを開発する。仕事は、設計、プログラミング、テスト、保守運用まで幅広い。
使う言語は、C言語とC++が中心だ。ハードウェアの動きを直接制御するため、電子回路やマイコンの基礎知識も求められる。
活躍する分野
組み込みが使われる分野は広い。
| 分野 | 主な製品 |
|---|---|
| 家電・民生機器 | エアコン、カメラ、AV機器 |
| 自動車・車載 | エンジン制御、ブレーキ、運転支援、自動運転 |
| 産業機器 | 工場の制御装置、産業用ロボット |
| 医療機器 | 検査装置、診断機器 |
| 通信・IoT | 通信機器、センサー機器 |
自動車では、ソフトウェアの比重が増えている。
未経験の入口になる工程
未経験者がまず担当しやすいのは、テストや検証の工程だ。ソフトウェアの動作を確認し、不具合を見つける仕事で、製品の仕組みを学べる。
実務を経験したあとで、設計やプログラミングの担当に進む道がある。テスターやデバッガーから始め、開発に移るのは、よくあるキャリアの入り方だ。
未経験から組み込みエンジニアになるために必要なスキル・資格
未経験の場合、何を身につけておけばよいのか。求められるスキルと資格を整理する。
C/C++とマイコンの基礎
最も重要なのは、C言語の基礎だ。次にC++がある。マイコンの仕組みや、メモリ、レジスタなどの基礎も押さえたい。
実務では、アセンブリ言語を読む場面もある。ただし、未経験の段階では、まずC言語を優先するとよい。
RTOS・ハードウェア・英語
組み込みでは、リアルタイムOS(RTOS)の知識が役に立つ。ハードウェアの回路図を読む力も求められる。
海外の部品の仕様書を読むため、英語の力があると有利だ。ただし、未経験の入口では、必須でない求人も多い。
資格は必須か:ETECが入り口
組み込みの資格では、ETEC(組込みスキル認定)が知られている。クラス2(エントリークラス)は、基礎知識を示す入り口になる。
資格は必須ではない。ただし、未経験者が意欲を示す材料になる。学習の実績を、資格か制作物で示すと、選考で評価されやすい。
学習時間の目安と、独学の難しさ
プログラミングの基礎習得には、約250時間かかるとする目安がある。毎日2時間学べば、4か月ほどだ。
独学は挫折しやすく、約9割が途中でやめるとする記事もある。スクールや学習サービスの利用も、選択肢になる。
未経験から組み込みエンジニアになる手順 4ステップ
未経験から転職するまでの流れは、4つのステップに分けられる。
ステップ1:C言語の基礎を学ぶ
書籍や学習サイト、スクールで、C言語の基礎を身につける。変数、条件分岐、ポインタ、構造体までを目安にする。
ステップ2:マイコンボードで小さな制作物を作る
学んだ内容を、実際の機器で試す。マイコンボードでLEDやセンサーを動かすなど、小さな制作物でよい。
動くものを作った経験は、面接で話せる材料になる。
ステップ3:学習の実績を示す
ETECのクラス2などの資格や、制作物の記録で、学習の実績を示す。「毎日2時間学んでいる」といった具体的な行動も、評価される。
ステップ4:未経験可の求人に応募する
未経験可の求人に、数多く応募する。書類で落ちることも多く、10社前後の不採用は想定内とされる。応募先を絞りすぎないことが大切だ。
【年代別】組み込みエンジニア未経験の転職難易度
未経験の転職は、年代で難易度が変わる。20代と30代、40代以降に分けて整理する。
20代:ポテンシャルを評価されやすい
20代は、経験より成長の見込みを評価されやすい。未経験歓迎の求人も多く、研修を用意した企業も選べる。
早く動くほど、選択肢は広い。学習の実績があれば、さらに有利になる。
30代:準備と応募数が鍵
30代の未経験は、難易度が高いとされる。それでも、準備をすれば可能だ。
30代で成功するためのコツは、次の4点とされる。
- すぐに行動を始める
- 書類の不採用に動じず、応募数を増やす
- 面接で、具体的な学習の行動を示す
- 企業を選びすぎず、スキルを伸ばせる環境を優先する
30代前半の年収は、約494万円とする記事がある。経験を積めば、伸びていくと見込まれる。
40代以降:現実的な入り方
40代以降の未経験は、さらに難易度が上がる。
まずはテストや検証、サポートの職種から入る道が現実的だ。これまでの業界経験を活かせる分野を選ぶと、評価されやすい。
組み込みエンジニア未経験歓迎の求人の探し方
未経験歓迎の求人は、探し方によって出会える数が変わる。主な方法を整理する。
求人サイトで探す
求人サイトでは、未経験歓迎の条件で絞り込める。組み込みのほか、制御ソフト、ファームウェアなどのキーワードで探すと広がる。
エンジニア専門のエージェントを使う
エンジニア専門のエージェントは、技術職の求人に詳しい。未経験でも応募できる非公開求人を、紹介してもらえる場合がある。
派遣で経験を積む
派遣や、技術者を派遣する会社に入る方法もある。複数の企業で、さまざまな開発に関わり、経験を積みやすい。
パーソルクロステクノロジーでは、「未経験から電気エンジニア育成」などを掲げる求人がある。
愛知県刈谷の研究開発拠点などで、ミリ波レーダーやECUなど、モビリティ分野の回路設計と評価を担う。入社後は、未経験者で1〜2か月程度の技術研修がある(求人の記載による)。
組み込みに近い分野で、研修つきで経験を積みたい人は、募集内容を確かめてみるとよい。
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未経験歓迎の中身を確かめる
「未経験歓迎」の意味は、会社によって違う。研修があるか、どんな業務から始めるか、先輩のサポートがあるかを確かめたい。研修の期間と内容は、応募前に確認するのが基本だ。
未経験の人が使えるサービス
未経験から経験者へ進む過程で、使えるサービスを3つ紹介する。
未経験の入口はパーソルクロステクノロジー、経験を積んだあとのステップはテクノブレーン、将来の独立はエンベストという位置づけだ。
パーソルクロステクノロジー:未経験から育成する入り口

パーソルクロステクノロジーは、IT/DX、エンジニアリング、セキュリティ、人材サービスを幅広く展開する技術者集団だ。
エンジニアリング領域では、自動運転・ADAS開発やロボット・モビリティ開発など、次世代技術に関わる案件も扱っている。
ITや機電分野の実務経験がない人でも、案件を通じて経験を積みながらエンジニアを目指せるため、キャリアの入口として検討しやすい会社だ。
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テクノブレーン:経験を積んだあとのステップアップ

テクノブレーンは、エンジニアに特化したスカウト型のヘッドハンティングだ。
対象は、ミドル〜ハイクラスの経験者で、組み込み、半導体、ロボティクス、自動運転まで求人を扱う。1992年創業で、求職者は無料で使える。
未経験の段階では、条件に合う求人が出にくい。実務経験を1〜3年ほど積んだあとの、転職先を探したい人に向く。
テクノブレーンで転職を相談する
エンベスト:将来の独立に備える

フリーランスエンジニア向けの案件紹介サービスでおすすめなのが、エンベストは、だ。
運営は株式会社BREXA Technologyで、IT・機械・電気・製造分野の案件を扱う。利用者の平均年収は約840万円で登録は無料。
実務経験が豊富で、独立を考える人に向く。未経験での利用は、現実的ではない。将来の選択肢として、知っておくとよい。
エンベストで案件を見る
未経験から自動運転・車載分野を目指すには
自動運転や車載は、未経験者に人気の分野だ。ただし、入り方には注意がいる。
自動運転で組み込みが求められる場面
自動運転は、センサーの情報をリアルタイムで処理し、車を制御する。ECU(電子制御ユニット)や、ブレーキ、ステアリングの制御には、組み込みの技術が欠かせない。
未経験から入るための足がかり
自動運転のエンジニア職は、実務経験が条件の募集が大半だ。完全な未経験からの直接応募は難しい。
足がかりになるのは、次のような入り方だ。
- テスト・検証の職種から、車載の開発に近づく
- 自動車関連の企業で、組み込みの経験を積む
- C++、Linux、ROSなどを学び、実績を示す
まず組み込みの基礎の経験を積み、そのあと自動運転に移るのが現実的だ。
求人の傾向
自動運転の求人は、2026年8月末時点で6,788件あり、増加が続く。
エンジニアの年収は、中途採用で700〜1,000万円が相場とされる。応募条件や年収の詳細は「自動運転エンジニアの求人と年収の詳細」にまとめている。
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未経験の転職で失敗しやすいポイント
未経験の転職は、準備の仕方で結果が分かれる。失敗しやすいポイントを3つ挙げる。
- 未経験歓迎の中身を確かめない
- 学習が続かない
- 企業を絞りすぎる
未経験の応募は、書類で落ちることも多い。応募先を絞りすぎると、チャンスを逃す。経験を積める環境を、まず優先するのも1つの考え方だ。
よくある質問
最後に改めて未経験で組み込みエンジニアになる際によくある質問を確認しよう。
文系でも組み込みエンジニアになれますか?
なれる可能性はある。学習の実績と、基礎的なスキルが示せるかが重要だ。
文系出身の転職例もあるが、理系より学習量が必要になる場合がある。
30代・40代の未経験でも可能ですか?
30代は、準備をすれば可能とされる。40代以降は難易度が上がるため、テストや検証など、現実的な入口から始めるのがよい。
資格は必要ですか?
必須ではない。ただし、ETECのクラス2は、学習の意欲を示す材料になる。
独学だけで転職できますか?
可能だが、挫折しやすい。制作物や学習の記録で、実績を示すことが大切だ。スクールの利用も選択肢になる。
未経験の年収はいくらですか?
未経験の入口は、300〜500万円とされる。経験を積むほど、年収は上がる傾向がある。
組み込みエンジニアは、きついと聞きますが本当ですか?
残業が発生しやすいなど、きつい面はある。ただし、会社や案件で状況は大きく異なる。
詳しくは「組み込みエンジニアの将来性ときつい理由の解説」で解説している。
未経験から自動運転にも関われますか?
未経験からの直接応募は難しいが、組み込みの経験を積んだあとに、関わる道はある。車載の開発に近い職種から入るのも1つの方法だ。
組み込みエンジニアは、基礎を学び、経験を積める環境から始めよう
組み込みエンジニアは、準備をすれば、未経験からでも目指せる。C言語の基礎を学び、学習の実績を示して、未経験可の求人に数多く応募するのが基本の流れだ。
20代はポテンシャルで評価されやすく、30代は準備と応募数が鍵になる。研修があり、経験を積める環境を選ぶのが、失敗を減らすコツだ。
入り口として、パーソルクロステクノロジーの募集を確かめられる。経験を積んだあとは、テクノブレーンでステップアップを探し、将来はエンベストで独立も選べる。
自動運転や車載の分野も、実績を積んだあとの選択肢になる。まずは基礎の学習を始めよう。
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