国土交通省の国土地理院は、測位と地図のズレを補正する新たな地殻変動補正システムを、2020年を目途に整備する。2018年3月の測量行政懇談会からの提言などを受けたもので、高精度な位置情報が必要となる自動運転車のトラブルを減らすことも目的の一つだ。
国土地理院によると、地殻変動の多い日本列島は常に地殻が動いているため、その瞬間の測位結果と過去の基準日によって作成された地図との間にはズレが生じるという。しかもそのズレは時間の経過とともに拡大していくという。
このため国土地理院では、地殻変動による歪みの影響を補正する技術「セミ・ダイナミック補正」(2009年導入)をさらに高性能化し、測位と地図のズレを補正する地殻変動補正システムを2020年を目途に整備する。
これに先立って国土地理院はテスト版の計算サイトを公開した。このテスト版計算サイトは、地殻変動補正システムの構築のために多くの参考意見を集めるためのもの。2020年3月31日までの期間限定で公開する。
■自動運転車のトラブル防止にも大きく寄与
測量⾏政懇談会によると、このような新たな地殻変動補正システムの整備は、新たなサービス創出や事業の効率化につながるという。自動運転車のその一つで、⾃動運転⾞の⾃⾞位置特定において、システムの簡素化や低コスト化、ナビ端末の軽量化につながり、それが自動運転車のトラブル防止に大きく寄与するという。
【参考】関連記事としては「【最新版】ダイナミックマップとは? 自動運転とどう関係? 意味や機能は?」も参照。
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— 自動運転ラボ (@jidountenlab) September 23, 2018